県消費生活課によると、同社は昨年6〜11月、県内の60〜70代の3組の親に対し、子どもの結婚相手紹介について、「成婚者数が日本一」と事実ではないセールストークをしたり、契約の意思を示すまで必要金額を伝えないなどの違反行為があったとしている。さらに、営業員が電話をかけて消費者宅を訪れ、午後11時過ぎまで居座る迷惑勧誘を行っていた。
また、市町村広報誌などに「成功報酬制」「登録料3万円」をうたう広告を掲載していたが、実際には3万1500円の登録料と成婚料31万5000円のほか、最大28万3500円の情報提供料、月会費1万500円などの支払いを求める契約を結んでいた。
近年の晩婚化に伴い、子どもの結婚相手探しに親が乗り出す「代理婚活」をめぐる相談が増えており、県は注意を呼び掛けている。県には同社に関する相談が03年頃から計58件寄せられていた。
県消費生活支援センターによると、11年度にあった結婚相談所に関する相談は100件を超えるという。09年度以降は減少傾向にあるが、高齢の親が未婚の子どもを心配して契約し、トラブルになるケースが1割前後を占め、近年急増しているという。担当者は「晩婚化を背景に代理婚活をめぐるトラブルが増えている。必ず結婚する当事者の意思を確認してほしい」と話している。
同社は「異論もあるが改善すべき点は応じている。親の悩みには応えたいが、積極的に代理婚活を勧めてはいない。利用者に納得してもらってから親身に応対してきた。不適切な勧誘はしていない」と反論している。
(蔵元英二)