美人揃いの女優陣のなかでは、失礼ながら、決して秀でてかわいいとはいえない(?)多部だが、類まれな演技力で女優の世界に欠かせない存在となっている。
多部は89年1月25日生まれ、東京都出身。02年、現在の所属事務所であるヒラタオフィス入りし、ヴィジュアル系ロックバンド「Janne Da Arc」の「Rainy 〜愛の調べ〜」のPVに妻夫木聡とともに出演しデビューを果たす。同年、BS日テレの「HAPPY!HAPPY!スペシャル」でテレビドラマ初出演。
04年、WOWOWが制作し、劇場公開もされた「理由」で映画デビュー。05年7月に公開された映画「HINOKIO」では準主役に抜てきされ、「青空のゆくえ」(同年9月公開)にも出演。両映画での演技が評価され、「第48回ブルーリボン賞」新人賞を受賞している。
09年前期のNHK連続テレビ小説「つばさ」では、し烈なオーディションを勝ち抜いてヒロインに抜てきされる。
以後、数多くの映画、ドラマに出演。民放の連続ドラマでの初主演は意外に遅く、11年1月期の「デカワンコ」で、同ドラマは多部の代表作のひとつになっている。12年10月期の連ドラ「大奥〜誕生[有功・家光篇]」ではヒロイン役に起用され、主演の堺雅人とともに好演した。
準主役で出演した「LIAR GAME-再生-」(松田翔太主演/12年3月公開)以降、映画からは遠ざかっており、最近はテレビドラマに軸足を置いている。
タレントウォッチャーのA氏は、「多部は個性的な顔立ちで、確かにネット上では、『かわいい』『かわいくない』といった論争もあるようですが、あの“猫顔”がいいという人も多いです。女優として売れるからには、やはり、他の人にはない“何か”があるのです。一見、セクシー系ではない多部ですが、あの物悲しそうなさびしげな目はたまらなくセクシーです。まるで、男を求めているようなあの目で見つめられたら、ドキドキです」と語る。
演技力で今日の地位を築いてきた多部。今後も、その不思議な魅力で活躍してほしいものだ。
(坂本太郎)