もうあまり誰もあまり覚えていないかもしれないが、あの中越地震での原発火災時、刈羽原発の周辺住民に原発事故が伝えられたのが、やはり一時間も後だった。
これは、一回事故を振り返るしかあるまい。
あの時、ある専門家が、以下のようなことを言っていたのを思い出す。
−−CNNで見られた、火災の黒煙の中に見えた白煙、水蒸気の正体は?
「個人的には、燃料棒に損傷があったのではないかと思っています」
燃料棒が“暴走”というのは、以下だ。すなわち、制御棒がはまる等安全装置が働かず、冷却水によってクールダウン出来ず、燃えさかった燃料棒が周囲を建屋ごと溶解させ、水に触れ水蒸気爆発すること=メルトダウン(炉心溶解)のことである。
だから、さらに聞いてみた。
−−メルトダウンはあったんですか?
「私はすんでのところで免れたと分析しています。しかしそれは、情報を隠蔽しない、という前提の話です。2号炉の冷却装置が働いたことも、ずっと後まで発表されなかった。そういうことでは困るんです」
7基の燃料プールの水漏れ、というメルトダウンを想起させるアノ事故後の対応は、万全なものと果たしていえたか。国民の不安は今も続いている。
そういえば、この柏崎刈羽原発は、“最も安全な原発”という異名を取っているらしい。
何を言っているのだろうか? という感がある。