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小池都知事国政へ 安倍一強崩壊で公明党がトンズラ準備完了

 日本中が注目した東京都議選は、小池百合子東京都知事率いる都民ファーストの会が公明党と選挙協力して圧勝、自民党は歴史的大敗北となった。この事態に永田町の最大の関心事は、小池氏が国政に打って出るかどうか、さらには自公連立がどうなるかに移っている。

 都議選直後、小池氏は報道陣に対し、「色々な動きは国政で出てくると思うが、私たちは都民ファーストならぬ、国民ファーストということをベースに考えていく必要がある」と述べ、国政進出に強い含みを示していた。
 「小池さんの立場では、そりゃ都議選が終わったばかりでハイ国政、とは明確に言えないでしょ。ただし以前から、都議選で圧勝した場合“次は国政”というのが既定路線。120%国政進出しますよ」(小池氏周辺関係者)

 一方、国政での自公連立はどうなるのか。選挙アナリストがこう言う。
 「安倍首相は今年3月に公明と都民ファーストが選挙協力することを公表した直後、『公明党抜きの単独で勝利するいい機会だ』などと余裕の発言をかましていた。当時は憲法改正に慎重な姿勢を示す公明より、積極的な日本維新の会との連携を念頭に置いていましたからね。しかし、いざ都議選でフタを開けてみれば、自民は57から23と半分以上議席を減らす結果となった。一方で、候補者23人全員が当選を果たした公明と、支持母体の創価学会は、次の総選挙でも小池新党と連携する方向で模索し始めたようなのです」

 この公明党の動きには、いくつかの理由があるという。
 「都議選直後、共同通信社が都議選の票数データを衆院選に置き換えて試算しているのですが、それによれば大方の予測通り、都内の定数計42議席(小選挙区25、比例代表東京ブロック17)のうち20議席を小池新党が獲得するという。そのため公明では、国政で自民と組むより小池新党と組む方が得策との声が大きくなっている」(公明党関係者)

 それは、公明党が衆議院で唯一、東京選挙区で議席を持つ12区の都議選での情勢でも顕著だ。
 先のアナリストの分析によれば、北区が大半を占める12区は、自民党が候補擁立を見送り、公明党の太田昭宏前代表を当選させてきた自公連立の象徴区。衆院では公明、都議選では自公が協力し、議席を分け合ってきた。
 「今回の都議選では北区の定数が4から3に減り、自民が高木啓幹事長、公明は都民ファーストと組み大松成氏がそれぞれ4期目に挑んだ。結果、都民ファーストの音喜多駿氏がぶっちぎりのトップ、次点の大松氏は前回より6000票増、3議席目が共産の曽根肇氏が当選し、高木氏は前回より約5000票も減らし落選。自民では、次期総選挙で太田氏の支持を見直し、独自候補を出すべしとの強硬論まで出る始末です。しかし公明にすれば、都民ファーストのほうがより安定すると分かったのです」(全国紙政治部記者)

 公明党の自民党離れの理由は、改憲への反発もある。
 「もともと創価学会では、今の日本国憲法が最善という考え。特に公明の山口那津男代表はバリバリの護憲派だけに、安倍首相が組む改憲へのスケジュールをチャンスがあれば潰したいと思っている。その最大のネックとなっていた選挙で、自公ではなく小池新党と組むほうが勝てるとなった。山口氏が都議選直後の7月5日の会見で、いきなり『憲法改正は政権が取り組む課題ではない』と改憲批判をしましたが、あれには今後の舵取りに向けた、そんな背景があるのです」(前出・公明党関係者)

 公明党にとって見限りの最大のポイントとなっているのが、菅義偉官房長官のパワー崩壊の兆しだ。
 「策士である菅氏の力の源泉は、官僚を牛耳ることと、創価学会に太いパイプを持つことの二つだった。それが前者は、加計学園疑惑を巡る前川喜平前文科事務次官の反乱により、官僚の制御に狂いが生じ始め、後者は菅氏と昵懇の佐藤浩学会副会長に対し、内部から“自民とベッタリしすぎだ”との非難が巻き起こっている。双方使えない状態になってしまった」(学会ウオッチャー)

 加えて、創価学会、公明党内で大きな力を持つ公明党中央幹事会会長の漆原良夫氏も、菅氏と佐藤氏を批判し始めている。
 加計学園疑惑では当初、菅氏は獣医学部新設計画を巡り『総理のご意向』と書かれた文書の存在について、『怪文書みたいなもの』として再調査しない考えを示していたが、漆原氏は「なぜ再調査しなくていいのか、官房長官の口からご説明していただくことが望ましい」と苦言を呈している。
 「これらの意向は漆原氏だけの声ではなく、学会の中枢部で菅氏や佐藤氏への批判が噴出したことを受けてのものと言われている。そもそも学会内では、安倍政権がゴリ押しして成立させた安保法、“カジノ法”への反発も大きく、その都度振り回される事態に嫌気がさしている。学会で幅を利かせる婦人部での小池人気も高いようで、“自民不要論、小池新党と連携”の向きは強まるばかりなのです」(前出・公明党関係者)

 自公連立からの公明党のトンズラは、小池氏の国政進出の強力な後押しとなりそうだ。

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