夏の北海道を勝ち抜くノウハウを確立した。
グランプリセンゼルで函館SSを制し、函館2歳Sはキョウエイアシュラで2着。大活躍の矢作厩舎が今度はキーンランドC制覇を目指す。
エンゼルとアシュラに共通するのは、中間、で北海道浦河のシュウジデイファームに短期放牧、レース直前に札幌競馬場へ入厩してレースに臨むパターンだ。
「前回も(レースの)10日前に札幌に入厩して結果を出した。向こう(牧場)でも乗られているし、いい状態を保っている。アシュラもこのパターンで好成績を収めている」と柿崎調教厩務員は話す。
今回の札幌入厩は20日。レースのちょうど10日前だ。直前での入厩だが、「向こうでも乗られてきていますからね。日曜、水曜に追えばいい状態に仕上がるはず」と調整過程には寸分の狂いもない。
短期間の間でも放牧に出す効果は顕著だという。放牧中のわずか1カ月半余りで馬体は成長した。「前回、札幌に入厩した時よりも馬が大きくなったな、と感じる。精神面は相変わらずうるさくて馬場入りなどには苦労するけど、そのうるささが片方で走る気持ちにつながっているんだけどね」と目を細める。充実の3歳夏を迎え、日に日に進化を遂げている。
前走の函館スプリントSは3歳牝馬とあって51キロの軽量が恩恵だったことも大きな勝因ではある。それでも「力がないと勝てないからね。自分が思う以上に能力のある馬なんだな、と思った」と高く評価している。
そのうえで「相手関係は強くなるけど、同じコース、距離なので頑張ってもらいたい」と重賞2連勝に思いを馳せる。
今春にはNHKマイルCでも3着とGIタイトルを射程に捕えている。もちろん、今秋に見据えているのはスプリンターズSだ。「まずはここを勝たないことには何も言えないですからね。結果を出してほしい」。1200メートルは<3101>の快速娘が北の大地で弾けそうだ。