「前走より馬体が絞れてきましたからね。かといって寂しくなった感じもない。中間の動きも文句ないし、前走と同様か、それ以上の状態で送り出せるでしょう」。確かな手応えに、寺島助手の表情が自然とほころんだ。
長い沈黙だった。一昨年の菊花賞を制してから実に1年3カ月。京都記念は久々の快勝だった。その前の有馬記念がシンガリ14着という屈辱的な敗北だっただけに、喜びもひとしおだったろう。
中間も順調、かつ入念だ。12日、栗東DWで行われた1週前追い切りは6F84秒5、ラスト1F11秒7。終い重点ながら実に鋭く動いた。さらに、15日には坂路800メートル62秒4→14秒2。全休明けの17日にも坂路で62秒6→13秒8をマークしている。これだけやれるのは何よりだ。「他の有力馬が休養明けでしょう。こちらは1回使った強みがある」とアドバンテージを強調した。
得意の3000メートル。舞台設定に不満はないが、唯一の課題は阪神への対応か。相性抜群の京都と比較すると勝ち鞍がないのは気になる。
「だけど、神戸新聞杯で2着、大阪杯も3着と勝てないまでも惜しい競馬はしてくれている。瞬発力勝負にならないよう、前々で決めて、天皇賞へ弾みをつけたい」
今の阪神は先行馬有利。ゴール前の坂も克服してくれそうだ。
【最終追いVTR】四位騎手を背にDWで追われ、6F84秒3、上がり3F40秒1→11秒9(強め)をマークした。トーセンアーチャー(古馬オープン)を2馬身追走。4角で合流すると、直線では一瞬にして5馬身抜け出した。ラストは抑えるぐらいの余裕があり、元気いっぱいだ。