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ドラフト裏事情 1位指名は代表決断ではなく原監督情報で決まる!?

 球団幹部は“無口な人”の方がいい!? 
 巨人・清武英利代表が精力的な動きを見せている。神宮球場での東都リーグ戦を観戦し、中央大学・沢村拓一投手を絶賛したのは、4月13日に逆上る。5月6日には伊原春樹ヘッドコーチも沢村を極秘視察していたことが判明。同代表の「堂々たるもの。素晴らしいピッチャー」なる沢村評(4月13日)を聞けば、「巨人の1位指名は沢村で決まった」と思えるが、佛教大学の大型左腕、大野雄大投手を視察したときには「ドラフト1位で18番、21番のエースナンバーを与えられる選手を探しているが、彼もその1人」とコメント。「スカウト会議で意見が言えるように」と語る同代表の姿勢は、他球団も見習うべきだろう。しかし、ドラフト候補選手の視察は『球団代表の職務』ではない。清武代表を球場に駆り立てる理由は何か? それは、原辰徳監督(51)にあるようだ−−。

 「原監督のネットワークは凄いですよ。12球団のなかで、それに対抗できる人がいるとしたら、岡田(彰布)監督だけかも。阪神の星野(仙一)サンも凄いが、原、岡田両監督のネットワークはリアルタイムだからね」
 巨人、オリックス以外のスカウトがそう認めていた。
 原監督が東海大学の出身であり、実父・貢氏が同大学グループの野球部の象徴的存在であることは説明するまでもないだろう。2009年ドラフト会議で“後輩”大田泰示(19=東海大相模高)が巨人に1位指名されたときだった。原監督の印象に関する質問を受け、「タツノリさんは…」と答え、「これから上司になる人に対する言葉ではない」との指摘も、一般ファンから寄せられた。正論だが、「タツノリさん」発言にこそ、原監督のアマチュア球界に及ぶ影響力を証明していたのである。
 「東海大グループでは『原監督』と言ったら、今でも原貢サンのことを指しているんです。巨人の原監督は『タツノリさん』と呼んでいます。この呼び方は全国の同グループの高校監督、部長にも浸透しています」(学校関係者)
 また、同グループは年1回のペースで野球関係者が一堂に集まるゴルフコンペも行っている。その際の話題はやはり『野球』で、参加者は「練習試合をした学校」の有望選手の特徴まで話しているという。

 「同大学卒の高校監督、部長が日本中に散らばっているわけですよ。そこに中学の教員や、硬式野球チームの監督になった野球部OBまで集まるんですよ。ゴルフコンペの参加者は毎年100人以上です。まして、ここ数年、大学・日本選抜チームの監督は東海大OBの岩井美樹氏(国際武道大学監督)です。岩井氏は故・藤田元司氏の義息子であり、貢氏の一番弟子と言っていい存在です。原監督とは義兄弟のような関係」(前出・同)
 「タツノリさん」にアマチュア球界情報が集中するのは、当然だろう。それと同じ早稲田大学系のネットワークを持っているのが、OB・岡田監督だという。球界の情報通といえば、星野仙一・阪神シニアディレクターが有名だが、今年63歳になる。一概にどちらが優れているとは決められないが、「同年代が現場指導者を務めている」点では、働き盛りの原、岡田両監督の方が有利だろう。
 こうしたアマチュア球界のネットワークをついて、こんな指摘も聞かれた。

 「スカウト会議で原監督が指名候補選手に関する意見、独自情報も発言し、1位指名選手をひっくり返したこともあるんです。原監督の情報にはスカウトも反論できないときもある」(チーム関係者の1人)
 清武代表は原監督に張り合っているつもりはないだろうが、昨年は1月の時点で「長野(義久)1位指名」を公言するなど、ドラフト戦略でイニシアティブを握った。しかし、菊池雄星の入札にも参加できず、現場スカウトを混乱させている。菊池がプロの壁に突き当たっている現状を思うと、堅実な好選手を獲得した戦略は正しかったとも言えるが、「今年は余計なことは言わないでくれ。せめて、夏の甲子園が終わるまでは…」との声もないわけではない。
 「清武代表の評判? 近年の巨人代表と比べても『仕事のできるタイプ』であり、本社からも一目置かれていますよ」(前出・同)
 巨人というチーム事情もあるが、球団幹部の言動は大きく扱われる。原監督とスクラムを組んだ方が得策ではないだろうか。

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