ディランの反抗的な歌詞と政治信念から、非常に検閲が厳しい中国には入国することは許可されないと予想されていたが、驚くことに北京でのコンサート開催の許可が中国政府から下りた。さらに、中国文化省は、ウェブサイトに3月30日から4月12日の間に北京でディランがコンサートを行なう情報を掲載している。
また、上海での追加公演についても許可が出ている。ディランは1960年代にアメリカで起こった反政府、反ベトナム戦争運動の指導者の1人だったが、ここ最近は政治には関与していなかった。
今回ディランには中国から入局許可が下りたが、西洋諸国の大勢のミュージシャンは、パフォーマンスの許可を断られている。
2009年には、オアシスがフリー・チベットというキャンペーンに携わっていることを理由に、「ふさわしくない」とみなされ、政府から入局許可を得られなかった。バンドから出された声明文には、ギタリストのノエル・ギャラガーが1997年ニューヨークのランダルズ島で行ったフリー・チベットへの寄付を募るコンサートで演奏したことが発覚したため、中国当局がこの決定を下したことがわかった。
中国は、1951年から「農奴解放」と言う名目でチベットを統合している。2008年3月には、中国政府に対して起こった暴動の結果、250人以上のチベット人抗議者が逮捕され処罰されたと報道されている。