初回に大引啓次の3点タイムリー二塁打で先行したチームは、2回に塩見泰隆のタイムリー三塁打、3回にウラディミール・バレンティンの13号ソロでそれぞれ1点を加点。このリードを原樹理、デビッド・ハフ、石山泰稚、梅野雄吾のリレーで守り抜いた。
約3週間ぶりとなる勝利は大きな話題を呼び、ツイッタートレンドランキングには、関連ワードが複数ランクイン。また、ファンからも「やっと連敗止まった!最高に嬉しい!」、「連敗が長かった分喜びもひとしお」、「今日は久しぶりにスポーツニュースを見れる」といった喜びの声が多数寄せられた。
ただ、水を差すわけでは無いが、今回の連敗脱出をそう喜んでばかりはいられない事情もある。それには、前回16連敗を喫した1970年の“その後”が大いに関係している。
8月4日阪神戦から8月25日中日戦にかけて16連敗を喫した同年のヤクルトは、26日中日戦でサヨナラ勝利を収め連敗を脱出。しかし、翌日からシーズン最終戦までの46試合は「11勝32敗3分・勝率.256」と連敗からの巻き返しは果たせていない。
また、この間は9月14日広島戦から10月6日中日戦にかけて11連敗(1引き分け挟む)、10月8日中日戦から10月19日阪神戦にかけて9連敗と大型連敗も複数。一方、連勝は8月28日〜29日の3連勝(いずれも大洋戦/29日はダブルヘッダー)が精いっぱいだった。
相次ぐ苦境に見舞われた結果、チームの借金はますます増加、最終的には、球団史上ワーストとなる借金59(33勝92敗5分・勝率.264)まで膨らんでいる。
この時以来のケースとなる今年のヤクルトは、4日日本ハム戦からセ・パ交流戦へ臨む。16連敗の影響を振り払うためには、「12勝6敗・勝率.667」で最高勝率に輝いた昨年のような成績が必要不可欠とも言えそうだが…
文 / 柴田雅人