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歯止めきかぬスポーツ中継の衰退 F1が地上波から消える!

 モータースポーツのF1グランプリを中継するフジテレビが、1月19日、営業権を持つFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント社)と12、13年の放送権について契約延長したことを発表した。しかし、その一方で今季から地上波は撤退し、BSとCSで放送することを明らかにした。

 同局広報部は「近年、BSの視聴可能世帯が増えてきたため」とし、現在深夜に放送している時間帯については、「地上波より見やすい時間になる」と話したが、マイナー化のイメージはぬぐえない。

 F1中継は86年まではTBSがダイジェストで放送していたが、87年からフジテレビがグランプリ全戦を中継するようになった。かつては、アイルトン・セナ、アラン・プロスト、ナイジェル・マンセル、ミハエル・シューマッハ、ジャン・アレジらの名レーサーを抱え、ゴールデンタイムやプライムタイムで放送。中嶋悟、鈴木亜久里、片山右京といった日本人レーサーが著名になったのも、いい時間帯での放送だったからだろう。

 最盛期の91年の日本GPは視聴率20%を超えるほどの人気番組であったが、F1ブーム自体が下火となり、中継は深夜枠へ移行し、次第に視聴率も落ちていった。89年から94年までは、テレビ朝日を退社しフリーとなった古舘伊知郎が実況を務め、プロレスさながらの名調子を披露したが、それも、いにしえの話となってしまった。フジテレビが中継を開始してから、ちょうど四半世紀が過ぎたが、ついに地上波からF1が消え去る。

 今や、テレビはバラエティー全盛時代。国民的スポーツのプロ野球やサッカーJリーグでさえ、BSやCSに追いやられてしまった。かつては、大ブームを巻き起こしたプロレスやK-1などの格闘技も、ほとんどが地上波から消えた。これもまた、時代の変遷。F1も、その流れから逃れることはできなかった。
(落合一郎)

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