怪談だけではなく心霊写真でもよくある話のようで、子供の横にその場にいなかったはずの子供の姿が写り込んでしまった写真は非常に多い。
この手の話は昔からよくある事だったようで、1946年にもこのような写真が撮影されている。
こちらの写真はオーストラリアはクイーンズランド州の墓地にて撮影されたものだ。写真の真ん中には石造りの白い墓があるが、その傍らに小さな女の子の姿が座っている姿がはっきりと写し出されているのだ。
この写真を撮影した人物であるアンドリュース夫人は、この日彼女の娘の墓参りに訪れていたという。彼女の娘のジョイスは1945年に17歳という若さで亡くなってしまった。夫人が娘の墓をカメラで撮影したのだが、現像してみた所、楽しそうに座ってカメラの方を見る小さな女の子が写っていて驚いたのだという。
あまりにはっきり写っているため、この写真は二重露光などを用いたトリックではないか、実際の女の子を座らせて撮影した写真との合成ではないか等と様々な推測が出た。しかしアンドリュース夫人は、撮影時には周囲に子供はいなかったし、亡くなった自分の娘が幽霊となって出てきた訳でもないだろうと答えたという。彼女の娘が小さかったときの姿とは違っていたし、もし母親の前に現れるとしたら亡くなった当時の、17歳の姿で現れるだろうと思われたからだ。
なお、この写真に関しては1990年代にオーストラリアの超常現象研究家トニー・ヒーリー氏が追跡調査で墓地に出向いた所、ジョイスの墓の近くに小さな女の子が埋葬された墓を発見したという。
この写真に写ってしまったのは、その近くに埋葬されていた女児の霊だったのだろうか。ジョイスを姉のように、アンドリュース夫人を母のように慕って現れたものだったのだろうか。この写真の真相はまだ解っていない。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所