『レッスルキングダム14』1.4ドーム大会の「獣神サンダー・ライガー引退試合Ⅰ」では、獣神サンダー・ライガー&藤波辰爾&ザ・グレート・サスケ&タイガーマスク withエル・サムライ 対 佐野直喜&大谷晋二郎&高岩竜一&田口隆祐 with 小林邦昭というスペシャル8人タッグマッチが組まれた。1.5ドーム大会では「獣神サンダー・ライガー引退試合Ⅱ」(カードは後日発表)を行い、『NEW YEAR DASH』1.6東京・大田区総合体育館大会で、引退セレモニーを開催するという。
ドラディションの藤波は新日本の旗揚げメンバーで、かつては社長も務めていた。ライガーとは「ドラゴンボンバーズ」というユニットを結成するなど関係が深い。今年に入りライガーがドラディションに上がるなど、両団体にホットラインができていた。新日本には14年ぶりのカムバックとなる。
みちのくプロレスのサスケとは、新日本やみちのくのリングで闘い、タッグも結成したライバル。タイガーはみちのくから新日本に移籍し、ライガーとジュニアタッグ戦線で共闘してきた。サムライは8月に行われた武藤敬司プロデュース、プロレスリング・マスターズでサプライズ登場し、かつてのパートナー・ライガーと再会している。ライガーは復帰を求めたが本人が拒否したため、今回はセコンドにつく。
対戦相手の佐野は、現在のリングネーム佐野拓真ではなく、新日本時代、ライガーのライバルとして対峙していた頃の本名に戻して、古巣マットに登場。ゼロワンの大谷&高岩は、サムライ、ケンドー・カシン、金本浩二とともに90年代の新日ジュニアを支えてきたメンバーだ。ここに新日本の田口が加わり、ライガーのデビュー戦の相手である小林がセコンドで登場する。レフェリーは、ライガーとスーパーJr.で激闘を繰り広げた保永昇男が務める。新日本の選手が他団体に出場することはあるが、現在の新日本マットは基本的に他団体の選手を上げていない。今回はライガー引退というシチュエーションがOBたちを古巣にカムバックさせた形だ。
会見には、ライガーと藤波が出席。ライガーは今回のカードに関して「引退試合だから湿っぽくなるのもイヤだったので、ちょっと華やかに派手にいこうかなと。ボクがプロレスラーになるキッカケを作った藤波さんとか、ともに闘っていたサスケ選手とかまた新たにタッグを組めると。相手が大谷、高岩、そういったいわゆる、とんがっていたメンバー。そういった人たちとバチバチまたやれるっていうのはすごく楽しみです」と本番を心待ちにしている様子。
「正直、そんなにまだ実感はないんですけど、引退式ってなるとどうしてもみんなシュンってなりがちなので、そうじゃなく『オー、スゲー!』って試合で終われればなと思ってます」と意気込んだ。
藤波は「今回こういう形で1.4東京ドームに上がるキッカケを作ってくれたライガー選手に感謝したいと思います。自分自身がこの場にいて、長年いたこの新日本プロレス、そして今回この1.4に上がれることを、ホントに快く懐の深いところを見せてくれて、藤波辰爾をまたこの新日本のリングに上がる機会を作ってくれた新日本プロレスに対して、ホントに心から感謝を申し上げたいと思います」と感謝を忘れない。
「今、自分自身で久々に興奮というか緊張をしてますが、十数年ぶりに新日本のリングに立つとなると、違った意味で今回、特にライガー選手のパートナーってことで、とにかく足手まといにならないように、今一度コンディションを整えて、準備万端でリングに立ちたいと思います」と、久々の古巣参戦を喜んだ。
ライガーは引退発表会見の際に唯一、佐野の名前を出していた。今回のカードに佐野が入ったことは感慨深いようだ。「ボクが同期で入って、少し佐野さんの方が先輩になるんですけども、『絶対に負けたくねぇ』と思ってて、実は佐野さんもこの素顔のライガーにだけは絶対負けたくねぇ。お互いが常にそう思ってたっていうライバル関係。だから、最後のリングでもそういう気持ちがバチバチぶつかり合うと思うので楽しみですね」と永遠の恋人とも言われた佐野への思いを熱く語っていた。
1.5ドーム大会では「やりたいと思ってくれる選手なら誰でもいい」と特に意中の選手はいない様子。年内は「まだ闘ったことがない選手とやりたい」と口にした。14日の鈴木みのる戦でさらに闘争心が強くなったのではないだろうか。最終章のゴールは華やかなものになりそうだ。
(どら増田)