“西高東低”の図式を表すように18頭の登録のうち13頭を関西馬が占めるが、過去10年間では関東馬が6勝と一歩リードしている。昨年もノーマークだった東のチョウサンが衝撃のレコード勝ち。ウオッカの男斬りばかりがクローズアップされているが、関東馬の逆襲にも注意を払わなければいけない。
なかでも、今春はまったく日の目を見ることがなかったドリームパスポートが、激変ムードを漂わせている。
転厩後の成績((5)(4)(4)(9)(9)着)から、「終わった」という声すらささやかれているが、馬体減りや道悪に泣かされるなど、それなりの敗因があったのも事実。高杉助手は「レースでは一瞬、脚を使うだけ。結果論になるけど、春は状態があまり良くなかったのかも。何か馬に硬さがあったからね」と分析する。その中でも、アドマイヤオーラ(京都記念)、ダイワスカーレット(大阪杯)に0秒2差と際どい勝負もしてきた。早熟のレッテルを張るのは早計というものだ。
大変身を予感させるのが約1年ぶりとなる左回り。中京で行われた神戸新聞杯ではメイショウサムソンを差し切り、ここ東京でもダービー3着、ジャパンC2着の好成績。右回りだとどうしても内へ内へと行きたがる癖があるが、左回りだとそれが一気に解消される。
新星・三浦騎手の手綱も変わる要素のひとつ。主戦・松岡の騎乗停止によって回ってきた形だが、とにかく最後まで追い続ける姿勢が最大の持ち味。ドリパスが結果を出していたころの鞍上が安藤勝、岩田といずれも“追える”タイプだったことからも、ハマる可能性は極めて高いのだ。
「転厩直後に比べれば馬とはしっかりとコミュニケーションが取れているし、例によって牧場でもしっかりと乗り込んできた。もっとやれていいはずだよ」(高杉助手)。誰もがビックリの復活劇があってもおかしくない。