初代タイガーにとって忘れられない屈辱の夜となってしまった。
折原昌夫とともに同リング初登場を果たした天龍に対し、虎の子スーパー・ライダーを引き連れさっそうと姿を現した初代タイガー。序盤から天龍の強烈なチョップを食らえば、負けじとドテッ腹に重量感のあるキック、ローリングソバットをたたき込む一進一退の攻防を繰り広げた。
互いに全身全霊をかけたせめぎ合い。天龍がグーパンチからツームストンパイルドライバーを出せば、初代タイガーも即奮起する。闘志をかきたてられ、120kgの天龍を抱え上げてのツームストンで脳天からグサリ。2大レジェンドがそれぞれ見せ場をつくったが、勝負の分かれ目は終盤だった。
初代タイガーがトップロープ最上段から、逆コーナー付近まで跳躍力十分のダイビングヘッドバット。失敗すれば自殺行為になりかねない危険極まりない1発を決めたが、立て続けに2発目を食らわそうと再度トップロープ最上段に駆け登るや、ガクッと足を滑らせリングに落下してしまう。
「まさかコーナーから落ちるとは…」。一度狂った歯車は戻らず、初代タイガーは一気に失速してしまった。「余裕がなくなりました」。最後は天龍の首固めに何もできず、無念の3カウントを聞いた。試合後は自らの足で歩行することさえ困難なほどの大ダメージにより「ウッ…」と吐息を漏らして担架で運ばれた。
「今回は体重を増やしすぎた。次は体重を戻してまたやりたい」。そうリベンジを口にして会場を後にした初代タイガー。リアルジャパン関係者によれば「股間亜脱臼の疑い」とのことで、初代タイガーにとっては1敗を献上したばかりか、よもやのコカン負傷という屈辱も味わう羽目となってしまった。
痛い黒星を喫した初代タイガー。大会後には天龍も「やっぱりタイガーは魅力的。今回はゲストってことがあったかもしれないけど、次は違うでしょう」と再戦を言及したことから、早ければ次回6月19日に行われる第13弾興行(東京・後楽園ホール)でのリベンジ戦となる見込みだが、果たして遺恨ぼっ発した龍虎対決に今後どんな行く末が待っているのか。2大レジェンドの動向に注目だ。