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サッカーJ2 甲府、新潟が立ち向かうビッグチャレンジ

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 J1・J2リーグ開幕に続き、3月はルヴァンカップの戦いも幕を開けた。3月7日の第1節ではFC東京の16歳・久保建英がトップカテゴリーの公式戦で初の先発フル出場を果たした。神戸のポドルスキ―が2得点を上げるなど、各地で激しい戦いが繰り広げられた。そんな中、今年のルヴァンカップではJ2からも2チームが出場している。

 今季からJ2で戦うヴァンフォーレ甲府とアルビレックス新潟だ。両チームともJ2の試合の合間をぬっての参戦となるが、カップ戦はチームにどのような影響を及ぼすのだろうか。

■甲府、新潟の今季注目の理由とは

 年間42試合を戦い中断期間のないJ2。もともと厳しい日程をこなす上に、カップ戦も抱える甲府、新潟両クラブの今シーズンはより過酷なものとなる。

 昨年J1から降格した中で上位2チームに当たる甲府と新潟。もちろん、今季の目標は両チームとも自動昇格圏内の2位以内を勝ち取り、1年でJ1に復帰することだ。他のJ2勢と比較しても戦力的に充実していることは明らかで、昨年降格したもう一つのクラブ、大宮アルディージャとともに昇格争いを繰り広げる可能性は極めて高い。

 反面、この3チームは「昇格候補」と他チームから警戒される。「何がなんでも勝ち点を与えまい」と、露骨な守備固めなど、他の18クラブがなりふり構わぬ戦術を敷くことも容易に想像がつく。戦力的に優位に立とうとも、簡単には勝ち抜けないのがJ2リーグ、そしてサッカーというスポーツである。

 そして甲府、新潟のもう一つの焦点がルヴァンカップへの出場だ。11月まで行われるレギュラーシーズンに加え、甲府と新潟にはカップ戦も組み込んでいる。カップ戦ではグループリーグだけでも6試合を戦う。グループリーグは全て水曜に開催する。週末のJ2リーグと合わせれば中2、3日の短期間で試合をこなすことになり、3月から5月までの3か月間、両チームは毎月7試合を消化することになる。

 特にJ2は代表戦があっても長期の中断期間が設定されない。トップカテゴリーのクラブを含めても、この2つのクラブ以上に過酷な日程をこなすクラブはないだろう。

■リーグ、カップにおいて目指すべき戦い方は

 3月7日に行われたカップ第1節で、甲府はコンサドーレ札幌を相手にホームで3−0と快勝。期待の若手、森晃太の活躍もあり今季の公式戦3試合目にしてうれしい初勝利を挙げた。また、第1節でアウェーに乗り込みベガルタ仙台と対戦したアルビレックス新潟は、0−1のまま迎えた後半ロスタイム、途中出場のベテラン田中達也がゴールを決めてドローに持ち込んだ。

 ともに格上のチームに対して、若手を中心とした控えメンバーで挑んだ試合だったが、得られたものは多かったと言えるだろう。そして、今後もこの試合のようにいわゆる「ターンオーバー」で戦うことだろう。

 グループリーグは5月中旬まで続き、スタートダッシュが肝心と言われるJ2において春先のカップ戦の戦い方は重要な意味を持つ。さらに勝ち進めば上位ステージ進出となり、さらに試合数が増えていく。最大の目標であり至上命題のJ1昇格へ向け、リーグでの取りこぼしが許されない中でカップ戦の位置付けをどう見出すか。

 勝利を求め、多くの選手がフィールドに立ち、コンディションを維持する。今シーズン、あらゆる厳しいシチュエーションに置かれるであろう両クラブには、だからこそ注目したい。レギュラーシーズンを争いながら、史上初めてとなるJ2から二チームのみ参戦のリーグカップ、その戦いに挑むヴァンフォーレ甲府、そしてアルビレックス新潟。「プロフェッショナル集団」の両クラブの雄姿からは限りない期待を抱き、観ているものを奮い立たせる勇気が伝わってくる。ビッグチャレンジは始まったばかりだ。(佐藤文孝)

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