TR・弥生賞の勝ちタイム2分0秒5は、過去10年間で最速であり、数字が見事に優勝を暗示している。コンビの武豊騎手はディープインパクト(05年)、エアシャカール(00年)、ナリタタイシン(93年)で3勝を挙げている皐月賞男。しかし、昨年は1番人気に推されたアドマイヤムーンで4着と無念の涙をのんでいる。それだけに、モチベーションは誰よりも高い。指揮官の松田博調教師そして、馬主の近藤利一氏も思いは同じだろう。リベンジを合言葉に雌伏一年、千載一遇のチャンスが到来した。
もちろん、細工は流々仕上げをごろうじろ。磐石の態勢が整っている。それを証明するように、この中間は5週連続6F-7Fから時計を出す猛特訓を積んできた。
過去4戦で毎回、ラスト1F11秒台を記録している瞬発力は圧巻。この爆発的な切れ味が最大の武器だ。一見不利な15番枠も、荒れて力のいるインコースを走るより断然いい。伝家の宝刀で1冠を奪取する。