着服していたのは総務部会員事業課主幹の男性職員(51)で、12月13日付で懲戒免職処分となった。
同商工会議所によると、職員は総務課財務管理室に在籍していた07年9月から今年3月までの間、資金の移動が少ないビル会計などの資金を扱う通帳から、テナントの保証金などの公金を不正に引き出し、総額約7400万円を私的に流用した。
職員は架空の国債や地方債の購入費を計上。発覚を遅らせるため、カネを一時的にほかの口座に移してから、引き出すなどの偽装工作もしていた。
流用した公金は、家族名義の菓子店の運転資金や、ブランド物の靴やバッグの購入、子どもの教育費などに充てていた。
今年4月に人事異動があり、10月に通帳の紛失が判明したことから、資金の流用が発覚したもので、職員は着服を認めた。
今後、同商工会議所ではこの職員を刑事告訴し、損害金の賠償を求めるととともに、調査特別委員会を設置して、被害の全容解明を進めるほか、外部の専門家を交えた委員会を設置して、再発防止策を講じる方針。
この職員が着服していた期間は実に4年半。特定の人間に全面的に資金管理を任せたばかりに、多額の着服を許し、発覚が遅れたことは、同商工会議所にも反省すべき点もあるだろう。
(蔵元英二)