海外ニュースサイト『WORLD OF BUZZ』と『AsiaOne』は5月24日、香港に住む女性が便秘により一時的に記憶喪失になったと報じた。記事によると、女性は日頃から便秘に悩まされていて、強く力まなければ排便できなかったそうだ。ある日、いつものように力んで排便したところ、トイレから出た後に約10年分の記憶が消えていたという。詳細は記事に書かれていないが、女性の記憶がないことに気づいた母親が女性を病院に連れていくと、医師は「内頸静脈弁機能不全」だと診断したそうだ。内頸静脈弁機能不全とは、脳や顔面、頸部の血液を集める静脈が正常に機能しなくなり、脳に十分な酸素が送られなくなる症状だ。脳は酸素不足となると、一時的に記憶が失われることがある。幸いにも、女性は約8時間後に、全ての記憶を取り戻した。
記事のインタビューに対し医師は、「女性は排便時に歯を食いしばって力み過ぎたことで、内頸静脈弁機能不全を引き起こしたのではないか」と見解を述べた。また記事によると、排便の力みによって内頸静脈弁機能不全を引き起こすことはまれであるが、歯を食いしばるほど重いものを持ち上げたときなどにも、内頸静脈弁機能不全を起こす可能性はあるという。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「便秘で記憶喪失なんて怖すぎる」「私も便秘ぎみだから、他人ごとではない」「便秘の怖さはもっと知られるべき」といった声が寄せられていた。
海外には、他にも便秘によって命の危険にさらされた人がいる。
2018年6月、オーストラリア・ビクトリア州に住む当時57歳の男性が、便秘によって体の一部機能が麻痺したと海外ニュースサイト『THE Sun』が報じた。同記事によると、男性は3日間にわたり吐き気と頭痛に襲われ、3日目には脚の感覚が麻痺して動くことが困難になったそうだ。男性が病院に行き検査を受けると、医師は「腹部コンパートメント症候群」と診断した。腹部コンパートメント症候群は、なんらかの原因で腹部に圧力がかかり、臓器への血流が減少するものだ。男性の腸内には2リットルもの宿便がたまっていて、便が腹部に圧力をかけたことが病気の原因だと同記事は報じている。臓器への血流が減少すると、吐き気や頭痛を引き起こすほか、多臓器不全を起こし死につながる可能性がある。また、脚の麻痺も宿便により右脚に血液を運ぶ主要な血管に圧力がかかり、血流障害となったことが原因だったそうだ。男性は宿便除去の緊急手術を受け、23日間の入院を経て退院した。術後、13日目には歩行も可能になったという。
特に女性は便秘気味の人も多いと言われている。しかし放っておくと体に深刻な影響をもたらすこともあるようだ。便秘を甘く見てはいけない。
記事内の引用について
Woman Loses 10 Years of Memories After She Pooped with Excessive Force (WORLD OF BUZZ)よりhttps://www.worldofbuzz.com/woman-loses-10-years-of-memories-after-she-pooped-with-excessive-force/
Constipated woman loses 10 years of her memory after over-exerting herself on the toilet(AsiaOne)より
https://www.asiaone.com/china/constipated-woman-loses-10-years-her-memory-after-over-exerting-herself-toilet
Man, 57, loses feeling in his legs after huge TWO LITRE poo ‘cuts off blood flow’( THE Sun)より
https://www.thesun.co.uk/news/6591346/impacted-poo-bowel-cuts-off-mans-blood-flow/