事件の余波で『SAY YES』や『YAH YAH YAH』などの往年の名曲は、アップルの音楽配信サービス、「iTunes Store」のシングル売り上げベスト10に4曲も同時にランクイン。そればかりか、アルバム『VERY BEST ROLL OVER 20TH』が、チャート2位にランクイン。さぞかしレーベル会社はウハウハかと思いきや、どうやら事情は違うようなのだ。
「今だけです。今後は版権を持つレコード会社が自費でCD・映像商品の全てを発売停止し回収する。廃棄などの費用も考えると、20数億以上の被害額になります」(音楽関係者)
事実、チャゲアスが所属していたレコード会社のユニバーサル・ミュージックは公式サイトで「“CHAGE and ASKA”及びASKA容疑者のソロ名義のCDや映像商品全タイトルを出荷停止とし、契約上可能なものを回収する」と発表したばかり。
この一連の流れに頭を抱えているのがテレビ局だ。なかでもチャゲアスの曲を主題歌に使ったドラマを「フジテレビオンデマンド」で配信中のフジテレビは、慌てて配信継続を発表したものの、先行きは不安だ。
「今後は世間の反応次第です。『101回目のプロポーズ』('91年『SAY YES』)、『振り返れば奴がいる』('93年『YAH YAH YAH』)、『妹よ』('94年『めぐり逢い』)など、ドラマと楽曲が連動しているものが数多くある。曲を消してしまうとドラマが成立しなくなる上、未だに根強いファンを抱えているんです。今はフジも強気ですが、世情の反応次第では突如、打ち切りということも起こりうる。そうなれば、年間で1億円規模の損失です。他局も過去のバラエティーやドラマ、ドキュメント番組など全てをチェックし音源を削除する作業を行うと、年間3000万円は飛びます」(制作会社関係者)
市場から完全消滅してしまうかもしれないチャゲアスの楽曲。カラオケも歌えなくなるのか?
「カラオケの音源にはCDの音源は使用されていない。配信会社がASKAの楽曲を元にカラオケを制作し各店舗に配信するため、JASRACに著作権使用料を払えば問題はありません」(事情通)
いずれにせよ、発生した損害金はASKAに請求されることになるという。シャブのツケは予想以上に高く付く。