これまでは詰めの甘さが出世を阻んできたが、5歳になり課題だった折り合い難が解消。前走・オーシャンSでは、好スタートからすんなり好位に取りつけ、直線追い出すと鋭く伸びて完勝。いとも簡単に1番人気に応え、待望の重賞ウイナーの仲間入りを果たした。
ところが、手塚師は「1月から使い詰めで少し硬さが出ていたせいか、最後はモタついて…。何とか力でねじ伏せたけど、本来の切れ味が見られなかった」のジャッジ。いずれにしても、100%の力を出せずにしてこの芸当。今まで重賞に手が届かなかったのが不思議なぐらいだ。
その後は高松宮記念には出走せずに放牧へ。「もちろん、高松宮を視野に調整してたけど、疲れが見えたしね」と師は戦列を離れる勇気ある決断を下した。そのかいあって、ラヴァゲインは心身ともにリフレッシュ。6月初旬に帰厩してからは坂路とWコースで入念に乗り込み、ここ3週は好時計を連発している。
「すこぶる順調だし、太め感もなく好仕上がりだよ」と仕切り直しの一戦に意欲を見せるトレーナーは「千二だけじゃなく、直千競馬にも適性があると思う。時計勝負は望むところだし、パワーがあるから馬場が渋っても大丈夫。スプリンターズSに向けても負けられない」と、秋の大一番へ向け、自信たっぷりの口ぶりだ。
ここを勝って、新スプリント王に名乗りを挙げる可能性は高そうだ。