砂丘は魅力的な風貌から多くの文人からも愛されている。有島武郎や与謝野晶子、高浜虚子などの歌碑が点在しており、芸術家には様々なインスピレーションを与えている。そして、来年4月には「砂の美術館」がグランドオープンする。
美しく神秘的な砂丘。縄文時代や弥生時代の土器片も多く出土しており、古代のロマンを感じることができる。だが、今年の6月30日、砂丘において4体の男女の人骨が発見されるという摩訶不思議なミステリーが起こった。
人骨は全て頭を西に向け、縦一列に数十センチの間隔で埋まっていた。その後の調べで、江戸時代後期から明治時代初期のものと判明。死亡原因は不明だが、事件性はないとされている。
現地のガイドの方から人骨事件についてお話を伺うことができた。人骨は、観光客が足を運ばない砂丘のはずれたところで発見されたという。砂丘のある海岸には、日露戦争のロシア兵の遺体が漂着したこともあるらしい。だから、漂着した可能性もあるかもしれないとのこと。または、海葬で海に流した遺体が、たまたま流れついたものなのかもしれない。
最近では、明治時代に流行った伝染病で亡くなった遺体を埋葬したのではないかという説が有力視されている。埋葬か? 漂着か? 謎は深まるばかりである。
10万年の歳月をかけてできた砂丘は風紋・砂柱・砂簾などの砂の造形美を楽しむことができ、一面に広がる見事なサンドベージュの景色は、まるで異国に迷い込んだような感覚を覚え、言葉を失うほどの感動を味わうことができる。
砂丘は夏場になると、砂の表面温度は60℃まで上がることがある。裸足やサンダルは足をヤケドする危険があるので、靴での散策が安心。砂丘内には日陰も自販機もないので、帽子・日傘・飲み物など、熱中症対策が必要である。
鳥取まで足を運んで、ぜひその砂丘の神秘と雄大さを体感していただきたい。
(呪淋陀)