「将来のことを考えて、引っ掛からないようにテンはリズムよく走らせることに専念した」と松岡騎手。「全体的に力がついてくれば、もっといい脚を使える」とさらなるステップアップを誓った。時計は平凡だが、ただでさえ流れが緩みやすい外回りのマイル戦。舞台がかわれば、確実にタイムは縮めてくるだろう。
パドブレは1番枠にして痛恨の発馬後手。しかし、二の脚の速さを生かして中団につけると、直線も力強く伸びて1馬身4分の1差の完勝を飾った。
「出遅れた瞬間、終わったと思ったが、リズム良く好位につけられたし、終いも追ってからまた伸びた。力がありますね」と松岡騎手。道中もまれ通しながらも、メンバー最速の上がり34秒5をマークしたパフォーマンスに、驚きの表情を隠せなかった。「馬は見栄えしないし、千二も適性があるのか不安で、半信半疑だった」というが、「マイルぐらいがベスト」と距離適性も定まった。
フェイクスターは好位追走から直線で鞍上のゴーサインが出ると、逃げ粘るエーブダッチマンを一完歩ごとに追い詰め、ゴール寸前で差し切った。
「スタートはひと息だったけど、二の脚が速かったね。直線で手前をかえてから、もうひと伸びしてくれた。素直で乗りやすい馬。血統的にも距離が延びて良さそうだし、芝でもやれると思う」と江田照騎手。
追ってから味があるのは大きな強み。「ダートだと普通は差せないからね。いい根性をしているし、楽しみだよ」と菊川師も将来性に期待を寄せていた。次走は「新潟2歳S」(JpnIII 新潟芝1600m 9月7日)の予定。
【小倉】今週の新馬は芝、ダートいずれも1200m戦。勝ち馬2頭はともに小粒だったが、将来性でいえば9日のダート戦を制したレディルージュがやや上か。
レースは好位3番手から、しぶとく脚を伸ばしラスト100mで前を捕らえての勝利。「調教でもそうだったけど、コーナーを回るのが下手なんですよ。それさえスムーズならもっと楽に勝てました。それが今後の課題です」と川田騎手は話していた。
ワンカラットは2番手追走から抜け出すそつのないレース運び。ただ、時計は当日の2歳未勝利より0秒2遅かった。
「手応えに余裕があったし、気性的に後ろから行っても切れる。距離は長くてもいいよ」とは小牧騎手だが、クラスが上がる今後が正念場となりそうだ。