叱られ方研修では、講師が「怒る」と「叱る」の違いを説明。上司や先輩が叱るのは部下の成長を促す意図があると説いた。
また、叱り言葉を部下が読み説く方法も教えた。叱られたからといって必ずしも「人格を否定された」「自分が上司を失望させた」とは思い込まないよう、広い視野を持ち、叱られた意味を解釈できるようレクチャーしていた。
最近の若者は叱られることへの耐性がなく、少し注意しただけでもショックを受け、簡単に退職してしまいがちだ。卒業生の離職率を下げるために、企業だけでなく学生を抱える大学の「叱られ方研修」への需要が高まると予想される。
ただ、叱られ方研修についてネット上では「叱られ方すら研修するのか」「叱る側が勉強しろ」「なんで叱られる側が気を使わなきゃいけないんだ」と批判の声も聞かれた。新入社員側に叱られ方を学ばせることに違和感を持つ人が多いようだ。
現在、“叱り方研修”や“ホメ方研修”など、コミュニケーション能力の向上を目的としたセミナーが人気を集めている。今や、コミュニケーション論を教わるのは当たり前になりつつある。
しかし、コミュニケーション能力は英会話やPCスキルと違い、セミナーやハウツー本のみで獲得できるものではない。職場内の意思疎通を円滑にするために、セミナーで知見を高めるのは良い流れかもしれないが、職場で使えるコミュニケーション能力を座学で磨くことができるのか、疑問を持つ人も多いだろう。
「仕事はコミュニケーション能力が大事」と声高に叫ばれているが、「コミュニケーション能力」とは具体的にどのような能力を指すのか、改めて考える必要がありそうだ。