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【声優の履歴書】第84回『サザエさん』磯野フネ役を40年以上演じ続けている・麻生美代子

 声のお仕事である『声優』。顔の見えない裏方のお仕事でありながら、近年はアイドルとの垣根がなくなって来ており、バラエティー番組や、歌番組などに出演することも珍しくなく麻生美代子、注目度が増している職業である。そんな人気声優をフィーチャーするこの連載。第84回目としてお届けするのは、麻生美代子。

 学生時代から演劇を志し、新児童劇団、劇団葦・劇団新劇場を経て、1978年に現事務所である東京俳優生活協同組合に所属。主に舞台女優や声優として活動している。
 声優としては、1966年に『魔法使いサリー』ウルトラ婆さん役でデビューし、長寿アニメ故にキャストの交代が多い中、1969年10月5日にスタートした『サザエさん』磯野フネ役を46年演じ続けている。(2015年現在。)なお、故・永井一郎によると、レギュラー声優陣の中では最年長であるため、収録現場を取り仕切る役目を担っているという。永井とは、同作で磯野波平・フネとして長年夫婦役を演じ、1989年『らんま1/2』でも、旧知の仲で恋愛感情を匂わせる関係であったコロン役(麻生)と八宝斎役(永井)で共演していた。

 記述の通り、声優のお仕事を始めた当初より1967年『リボンの騎士』乳母役、1971年『ふしぎなメルモ』メルモのおばさん役、1979年『赤毛のアン』レイチェル・リンド役などの高齢の女性且つ、1974年『アルプスの少女ハイジ』ロッテンマイヤー役、2003年『鋼の錬金術師』ピナコ・ロックベル、2004年『マリア様がみてる』シスター・上村役、2009年『CLANNAD 〜AFTER STORY〜』岡崎史乃役などの、威厳のある役柄を数多く演じている。

 女優としては、2006年1月21日に公開された、市川準監督『あおげば尊し』でテリー伊藤の母親役を演じた。また『ドラゴンボール』で、天津飯役などを演じた声優、故・鈴置洋孝プロデュースの舞台に頻繁に出演していた。2007年に公演された『素晴らしきこの世界』ではソープランドの風俗嬢役という、今までの麻生のイメージを覆す役柄を演じた。

 プライベートではスキューバダイビングの資格を持ち、47歳から80歳まで続けたというアクティブな人物だ。

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