「犯行現場のすぐ近くで8日頃から同じような犯行が50数件起きており、署員が警戒していました。昼の1時少し前、他人の家の車庫前で足を止め、持っていた鍵で車のボンネットに30㌢ほど傷を付けたので、警戒中の署員が『何しとるんや』と追及すると、最初はとぼけていたが、『傷を付けました。しょうもないことをやった』と犯行を認めたようだ」(捜査関係者)
松倉容疑者は埼玉県出身で、早稲田中・高から早稲田大学第一文学部を卒業後、1968年にフジテレビに入社し、主にプロ野球とバレーボールの中継を担当。特に神宮球場や横浜球場での巨人戦の実況で人気を博し、『小川宏ショー』『3時のあなた』などのワイドショーの司会も担当した。同期入社にはガンで闘病死した逸見政孝氏、山川建夫氏らがいる。
「フジテレビ在職中、僧侶養成学校の通信教育で学び、'99年に得度。'02年に56歳で退社後、妻の実家である姫路市の不動山善教寺(浄土真宗本願寺派)に僧侶として入り、'06年に住職(住職名・結城思聞)になっています。寺のホームページに〈楽しくなければお寺じゃない。楽しいだけでもお寺じゃない〉などとフジテレビっぽい言葉を並べ、知り合いの元プロ野球選手を呼んで、地域の少年たち相手に野球教室を開いたりしていた」(寺院関係者)
'06年から'11年まで、近所にある姫路獨協大学で非常勤講師も務めたが、同大に不満があったようで、'13年1月には自身のブログにこう綴っている。
〈『姫路の恥姫路獨協大学』。読めない、書けない、話せない、どうしようもない学生の集団。(中略)精神的に不安定な学生まで押し込んで定員割れを防ごうとしているが(中略)獨協大学の末路は哀れなものとなろう〉
妻は「(松倉容疑者が)うつ病を患って長年、苦しんでいた」と話し、知人も「最近は認知症気味だった」と擁護するが、傷つけられた車の大半はこの大学の駐車場に停められていたという。
病気か、恨みか――。