京都府警刑事部特別捜査支援班の桐島孝作(船越英一郎)は元心療内科医。表情解読のスペシャリストとして研究室から異動してきた。元患者を死なせてしまったという、お決まりのトラウマがあり、今日も元鑑識係員の刑事・友枝凛子(大塚寧々)とともに事件の捜査にあたるのだった。(第6話)あるガラスメーカーの若い社員が誰かともみ合って階段から転落死した。被害者の爪からひざかけと同じ毛糸の繊維が確認され、持ち主でクビ切り課長としてリストラを進めていた矢吹洋子(水野真紀)に疑いがかかる。同年代で近い立場の凛子は洋子の無罪を主張するが、桐島は洋子のアリバイに疑問を持ち…。
元心療内科医だった桐島は粘着体質で神出鬼没。それはいいんだけど、黒い鉄アレイを白く塗って軽く見せたり、内装が赤い部屋で時間の経つのをじっと待たせたり、心を表す鏡に映ってみたり、とにかく心理トリックや謎解きがてんこ盛りの大サービスなので、どれが決め手で犯人逮捕に至ったのか、よく分からない不思議なドラマ。妙に説得力のある船越さんの語り口にチャッピーは上品な彼のお父さんを思い出したわ。船越父の大俳優・船越英二のスピリットは「熱中時代」で共演した水谷豊に宿り、『相棒』に受け継がれたのかと思ってたけど、そうじゃなかった! やっぱり親子なので演技スタイルや声が似ていて独特の重みが絶品だわ。もしかしたらこの役は、船越英一郎一番の当たり役に化けるかも。
でも共演女優が大塚寧々で地味。一応安田美沙子とか、仮面ライダーWの桐山漣とか若手も出てるけど、どう考えても団塊世代向けなドラマね。第6話の事件の真相も会社に残った若者を悪者にして、リストラ組の情に訴える都合のいいつくりでビックリ。メーカーなんて団塊守るために今までどれだけ若い子切ってきたのよ、ターゲットに媚びすぎたストーリーにちょっとがっかりしたわ。(チャッピー)