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専門医に聞け! Q&A 起床時に残る“だるさ”対策

 Q:慢性的に体が疲れた感じがします。一晩よく眠っても、翌朝、体がだるく、しゃきっとしません。ストレスがかなりあるし、精神的なことが関係しているのでしょうか。健診では特に異常は見つかっていません。アドバイスをお願いします。(38歳・司法書士)

 A:おっしゃるとおり、肉体的に疲れただけなら、よく眠るなど休息をとるだけで疲労は解消します。ところが、ご質問の方のように、十分に体を休めたはずなのに疲れ感が抜けないという人が、現代には少なからずいます。
 これは、多くの場合、ストレスからくる疲れで、自律神経失調症の一つです。慢性的なストレスにさらされると、自律神経のバランスが乱れ、不定愁訴といわれるさまざまな症状が起こります。
 現代社会に生きる私たちは日々、ストレスにさらされているため、疲れ感があっても当然でしょう。しかし、できるだけ早期に解消したいもの。そのための方法は二つあります。

●漢方薬と無酸素運動の併用
 一つは漢方薬です。漢方では、「気」というエネルギーが体を順調に巡ることによって健康が保たれると考えます。
 そして、気の流れを調整しているのは肝臓と考えます。ストレスに遭うと肝臓の働きが悪くなっています。疲れ感はそのためです。
 漢方には肝臓の働きを正常にする作用がある漢方薬があります。その代表的なものが加味逍遥散です。肝臓の働きが回復すると気の流れがよくなり、疲れなどが改善します。
 同様の作用を持つ漢方薬に「柴胡桂枝湯」や「抑肝散」があります。
 もうひとつは運動で、ストレスからくる疲れの解消に役立つのが無酸素運動です。無酸素運動は呼吸を止めて行うため、疲労物質の乳酸が大量に発生します。
 それが運動をやめると、その瞬間に、乳酸を消去するために脳の下垂体から、成長ホルモンが大量に分泌されるのです。この成長ホルモンが、疲れ感の解消に大いに役立つのです。
 無酸素運動のうちでも、器具も必要としないで自宅で行えるのが、無呼吸での腹筋運動です。これは意識的に呼吸を止め、苦しくなるまで腹筋運動を行います。ただし、くれぐれも無理はしないでください。
 なお、漢方薬については、できれば漢方専門医を受診して服用するとよいでしょう。

興津寛氏(アストラル八幡クリニック院長)
統合医療の名医。熊本大学医学部卒業。東京医科大学形成外科、帝京大学溝口病院皮膚科、中国での漢方研修を経て日本医科大学東洋医学科にて臨床を実践。現在、アストラル八幡クリニック(千葉県市川市)院長。

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