スピード競馬ならどの馬にも負けない。前走のセントウルSで5馬身差の快勝を飾ったサンアディユに、音無師は絶対的な信頼を置く。
「前半の3Fを33秒台のハイペースで行って、よく我慢してくれた。あれでひとつわかったのは阪神のようなスピードの出る馬場が得意だってこと。その意味で今の時計の出る中山は歓迎だね」
先週の中山で行われた3歳未勝利戦は1分8秒4の好時計で決着。芝ではわずか3戦のキャリアで「未知数な面が多い」としながらも、師はこの高速馬場に対しては自信を見せる。
体調面での下地も整った。長距離輸送だと減る馬体が前走の阪神では輸送距離が短かったこともあって、18kg増とプラス体重となった。
「北九州記念では新潟、小倉と2度の長距離輸送が続いて目に見えない疲労があった。前走では逆に大幅な馬体増だったけど、成長分もあって太くなかった。使った後の回復も早く、本当にいい感じの体つきになっている」
すでに7月から夏を3走して迎える大一番だが、体調面での不安はない。むしろ今夏の勢いそのままに迎えるGI戦となった。
「前走は自分でレースをつくって、突き放す強い内容だった。今回もうまく流れに乗れれば必ずチャンスはある」
夏の覇者が胸を張ってGIの舞台へと立つ。
【最終追いVTR】生野騎手を背に坂路入り。実質的な追い切りは先週に済ませているため、直前は終始、馬任せとなったが、それでも51秒6の好時計。馬体もほどよく引き締まり、デキは絶好だ。