太陽系よりずっと遠くの深宇宙から飛来する小惑星などの天体を恒星間天体と呼ぶ。2017年に太陽系に最接近した小惑星「オウムアムア」によって知られるようになった。だが研究の結果、恒星間天体はさほど珍しいものではなく、2014年にパプアニューギニア上空で爆発した火球も、実は太陽系外から飛来した恒星間天体であったことが米宇宙司令部(USSC)によって明らかになっている。
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ちなみにこの火球の大きさは0.45メートル、時速13万キロで地球の大気圏に突入したことが判明しており、その軌道と高速度から「惑星系の深部か、天の川銀河の厚い円盤にある星から来たものであることは99%間違いない」と科学者たちは主張していた。
この天体は通常の隕石と比較すると非常に頑丈とのことで、ローブ氏は海底で眠っているこれらの恒星間天体の破片を回収することができれば解明につながると主張。
実に190万ポンド(約3億1600万円)を出資し、オーストラリア沖で2014年に墜落した恒星間天体の破片を回収するプロジェクトを始めていた。
一方で、この火球に関する詳細な情報を得ることが非常に困難な状況になっているという。主な理由としては、この恒星間天体に関するデータの一部が「核爆発の証拠の追跡」を担当する部署によって記録されたため、機密扱いになっているというのだ。
実際、昨年Motherboardがロスアラモス国立研究所に詳細な情報を求めるとともに、さまざまな省庁に情報公開法の要請をしたものの、回答は遅延に次ぐ遅延。
1月には「問題はプログラムオフィスにある」と言われ、今年3月には「NNSAのロスアラモス現地事務所(NA-LA)や研究所が解決しなければならないいくつかの問題がある」という趣旨のメッセージが返ってきたという。
現状では何が問題なのか、いつになったら要求された情報が実際に提供されるのかといった確認すらできないままだそう。
2014年に地球に到達した物質について、研究所は何か隠しているのだろうか、それともこの騒動は単に管理上の不備によるものなのか。もしかすると、ローブ氏の「恒星間天体引き上げプロジェクト」の方が先に成功してしまうかもしれない?
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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