ダルモアはゲール語で《広大な牧草地》の意味です。
1839年に《アレクサンダー・マセソン》が設立、その後1867年に地元の農家《マッケンジー兄弟》が蒸留所を譲り受けます。
それから長きにわたってマッケンジー家が、運営をしていきました。
ダルモアのボトルに描かれた牡鹿は、このマッケンジー家のエンブレム、中々由緒あるエンブレムらしいので気になる方は調べてみて下さい。
このマッケンジー兄弟は、ホワイト&マッカイ社の創業者と友人関係だったそうで、
そのことからブレンデッドウイスキー「ホワイト&マッカイ」へ原酒としてダルモアを提供しています。
その後、第一次大戦中に蒸留所は、連合軍に接収されてしまいます。
1917年には全てのウイスキーが運び出され、生産停止に。
その後、海軍本部に接収され、地雷の組み立て工場として使われていたそうです。
1920年にマッケンジー家が蒸留所を買い戻しますが、その直後に「アメリカ禁酒法」そして第二次大戦が蒸留所を襲います。
経営難になり、1942〜45年の間休止を余儀なくされます。
1945年に再稼働。
1960年にホワイト&マッカイ社の傘下になります。
ただ運営はマッケンジー家がそのまま引き継ぐ形になりました。
そこからしばらくマッケンジー家のものが同社の役員となっています。
この合併でポットスティルを8基に増産し、年間430万ℓと生産量を大きく伸ばしました。
話によると13人態勢で24時間フル稼働しているそうです。
2007年、インドの《UB/ユナイテッド・ブリュワリー社》が蒸留所を買収。
この時、経営権がマッケンジー家から離れました。
そして2014年、フィリピンの《エンペラドール社》が蒸留所を買収。
以降エンペラドール社所有の蒸留所として稼働し続けています。
現在のオーナーであるエンペラドール社はブランデーの製造会社です。
日本では全く無名ですが、一応世界一売れているブランデーとの触れ込みです。
調べてみたら日本人がイメージするブランデーとは、ちょいと違いました。
日本人がイメージするブランデーは《フルーツブランデー》と言います。
それに《穀物であるトウモロコシ》のお酒を混ぜた物を《カットブランデー》と言います。
更にこれにフレーバーや甘味を加えた物を《ブランデーリキュール》と呼びます。
エンペラドールはブランデーリキュールなので世界一と呼ばれてもどうなの?って感じですが。。。
ダルモアに話しを戻しますと、このお酒はオススメです。
何故か知名度もそんなに高くなくバーテンダーもそんなに押さない感じですが、非常に豊かな香りと味わいがあるので絶対に押さえておいた方が良い一品です。
随分とお高くなった現行型の〇ッカ〇ンを有難がって飲むくらいならダルモアをチョイスした方が個人的にはカッコイイと思いますけど。
本日も貴方の酒道が素敵な物でありますように。
監修
Bar ADDICT