9月7日の巨人戦は「3対18」で“ボロ負け”した。前日の同カードではエース・今永昇太を立て、菅野智之との投手戦を制した。
「前節の広島3連戦で『3連続完封負け』を喫しました。今永で勝ち、ヤクルト追撃の雰囲気も高まっていたんですが」(関係者)
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18失点は今季ワースト。勝利していれば、球団史上初の巨人戦8連勝となっていた。DeNAの先発・濱口遥大が3被弾を含む11失点で、試合をブチ壊してしまった。NPB関係者の一人がこう言う。
「試合前、8月の月間MVPが発表されました。セ・リーグ投手部門は今永、でも、濱口も最終候補まで残っていました」
8月の濱口は3勝負けナシ。「11失点」は自己ワーストだったが、大炎上する前に「おや?」と思う場面は見られた。
初回、濱口は「ボーク」を宣告されている。
「右足でプレート板を巧く蹴れなかったみたい。スパイクの歯が引っかかったのかな」(プロ野球解説者)
それだけではない。4回に巨人・小林誠司にレフトフェンスまで届く適時二塁打を食らったが、打たれたボールは「チェンジアップ」だった。
「初回、失点はありましたが、チェンジアップはバツグンに良かったんです。1番。坂本勇人はそのチェンジアップに手も出せず、見送り三振。2番・ウォーカーもチェンジアップで追い込まれて」(前出・同)
そのチェンジアップが当然、変化しなくなったのだ。
「DeNAベンチも、今日の濱口はおかしいと思っていたはず。交代させるタイミングを逸し、試合序盤で大量失点を許してしまった感じ」(前出・同)
試合後の三浦監督はチェンジアップが機能しなくなった4回を指して、こう答えている。
「あの回は投げ切って欲しかったけど、(投球数が)100球を越えて、ストップを掛けるしかなかった」
4回に9失点された時点で、濱口の立ち直りも勝負も諦めてといった内容だ。しかし、その濱口がベンチに帰った時、三浦監督自らが歩み寄り、肩を叩きながら何かを伝えていた。
「心が折れていれば、もう投げさせないですけど、そんなことないですよ」
そう言い残して、会見を切り上げた。
ワンサイドゲームとなったが、同試合で登板したピッチャーは、全部で3人。2番手・三浦銀二、3番手・坂本裕哉だが、勝ちゲームではあまり使って来なかったピッチャーである。
雨天、コロナ禍などで再編成された終盤戦の日程表を見ると、同日の巨人戦は9連戦の2試合目であり、その後、中1日で10連戦に突入する。9月11、12日に首位・ヤクルトとの直接対決もあるが、23日からの同3連戦が天王山と見られている。それまで1つでもゲーム差を縮めておけば、本当に逆転優勝が視野に入ってくる。
「連戦に次ぐ連戦を乗り切るには、ピッチャーの出来次第」
三浦監督が目先の1勝にこだわり、濱口を早々に代えていたら、その心は折れ、救援陣を必要以上に消耗させていただろう。三浦監督の“負ける度胸”に投手陣が奮起すれば…。(スポーツライター・飯山満)