そこで注目を集めたのが、比例代表に11人の候補者を立てた「ごぼうの党」だろう。候補者の多くが会社経営者ながら、顔写真は公開されていない。格闘家の朝倉未来氏がスポーツアドバイザーに就任したほか、俳優の山田孝之や山下智久などが賛同をするなど、謎に包まれている。
これまでも、参議院議員選挙にはごぼうの党のような諸派系のミニ政党が登場してきた。
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1980年の参議院議員選挙では、実業家の長田正松氏(故人)が「日本愛酢会」推薦で無所属で出馬。1992年の選挙では「日本愛酢党」(読みは「にほんあいすとう」)を結成して再度出馬した。長田氏が有限会社つかれ酢本舗代表取締役の社長を務めており、健康食品としての酢をアピールする狙いがあったようだ。いわば選挙を商品アピールの機会と捉えていたと言える。この団体の出現がきっかけとなり、むやみな立候補やアピールを防ぐための供託金の増額や無料広告の制限などが行われるようになった。
1983年の参議院議員選挙を皮切りに、1995年の選挙まで候補者を立ててきたのが「『開星論』のUFO党」だ。宇宙人との友好的交流の促進のほか、主要各国政府上層部のみが知り得るUFO機密情報の開示を政策に掲げた。95年の選挙には比例区には韮澤潤一郎氏が出馬。韮澤氏は『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)の「超常現象スペシャル」で、大槻義彦氏とユーモラスなバトルを繰り広げることでも知られる。
1989年の参議院議員選挙にはミニ政党が乱立し、史上最多の40政党が並んだ。中でも、インパクトがあったのが「エイズ根絶性病撲滅国民運動太陽新党」だろう。当時社会問題となっていた、エイズの根絶、結婚時におけるエイズ検査の推進などを訴えていた。
ミニ政党はある意味では、時流を反映する存在として見ることが出来るかもしれない。