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白黒テレビでカラー映像が見られる!?60年前にスウェーデンで放送された驚きの「嘘」

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 4月1日はエイプリル・フール。毎年この日は嘘を吐いてもいい日ということで、企業や新聞がジョークの企画をする。エイプリル・フールのネタは時に発信側の意図を超えて大きな反響を呼んでしまい、多くの人がだまされ、騒動が起きることもある。有名な例としてイギリスのBBCが1957年に放送した「スパゲッティの木」というものがあるが、今回紹介するのはスウェーデンで報じられた「白黒テレビでカラー映像が見られる裏技」だ。

 1962年4月1日、当時スウェーデンで唯一のテレビ局だったSVT(Sveriges Television)は驚くべき裏技をニュースで報道した。それは「お宅の白黒テレビでカラー映像を見る方法」だった。

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 番組には「技術専門家」であるシェル・ステンソン(Kjell Stensson)という人物が登場、光のプリズムの性質や二重スリット干渉の現象など、非常に専門的な話を長々と語った後、「白黒のテレビ画面の前に、目の細かいスクリーンを置くと、光が曲がってカラーに見えることが発見された」と発言。どこの家庭にもあるナイロンストッキングが最適であり、ストッキングを切り開いて、テレビの画面の上に貼るだけで「テレビに映る白黒映像が、突然カラーに見えるはずだ」と語った。

 なお、スクリーンの効果は一定の距離を保ち、色のスペクトルをそろえるために、頭を前後に慎重に動かす必要があると注意事項も語った。

 ちなみにカラーで画像を送る発想は1928年に出てきており、翌年には実験が開始された。その後戦争での中断を挟みつつも送受信方法の実験は行われ、1954年1月23日にアメリカのNBCニューヨーク局であるWNBC局が初めてカラーで本放送した。なお、日本では1960年9月10日に本放送が開始されている。

 前述の放送があった当時はカラー放送は最新鋭の技術であり、テレビ自体も高額だった。実際に1950年代から60年代にかけて、白黒のテレビ画像をカラーに変換するスクリーンというものが広く売られていたという。

 このスクリーンは、透明なプラスチック製でプリズム状になっており、テレビ画面の前に置くと画像にわずかな色合いを加えることができるものの、本来のカラー表示とはほど遠いものであったという。

 しかしカラーテレビが数百ドルするのに対し、スクリーンは数ドルで手に入る。当時の人たちには魅力的な商品だった。そんな夢のカラー放送が、ストッキングを画面に貼るだけで誰でも見られる、ということで多くの家庭で大量のストッキングが犠牲になったようだ。もちろんこれはエイプリル・フールの嘘であり、実に何千人もの視聴者がだまされる結果になったようだ。

 なお、SVTは4年後の1966年に初のカラー放送に挑戦。スウェーデン国内でカラー放送が開始されたのは1970年4月1日だった。

山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中

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世界的に有名になったエイプリルフールのジョーク・ニュース「スパゲッティの木」​​​

参考記事
Instant Color TV
http://hoaxes.org/archive/permalink/instant_color_tv

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