昔の人の幽霊を見たという体験談はあるが、古くても落武者などが大半であり、例えば縄文時代の遺跡に行って縄文人の霊を見たという話はめったに聞かない。そこから、「700年も経てば大概の幽霊や怨霊は成仏してその場から居なくなってしまうのでは」という説が生まれた。
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また、「その地域でいわくつきの幽霊や怪談を語り継ぐには限界があり、700年たてば怪談も風化してしまうのではないか」、つまり語られなくなるためその場に由来する幽霊が見られなくなるのではないか、という説もある。
この説が正しいかについては、誰もが幽霊の姿を見ることができるわけではない。実在するのを明らかにするのも難しいため、結論は保留とする。
海外でも日本と同様のことが考えられているようで、先日イギリスで興味深い仮説が登場した。超常現象を研究しているポール・リー博士によれば、最近イギリス国内の主要な心霊スポットで幽霊の目撃証言が報告される割合が低下しているという。
調査を行った彼の結論は、幽霊の多くが「死んで」しまった可能性が高いというものであった。彼によれば、未練を残して亡くなった人が幽霊になるが、そのエネルギーは時間とともに枯渇し、姿を現すことが不可能になるのではないかというのだ。しかし単に成仏しただけかといえばそうではなく、姿を消して目撃例がなくなって何年もたつ幽霊の多くは、休眠と充電の期間を経て再び姿を現すことが知られていると、リー氏は指摘している。
実際、イギリスではかなり古い時代の幽霊が今も各地で目撃されているという事例も存在している。例えばヨーク州の邸宅トレジャラーズ・ハウスでは紀元前のローマ人兵士の霊が出るという。この邸宅の地下室のある場所には、古代ローマ時代にデクマナ街道という道があった。ローマ歩兵の霊は未だに盾ややりで武装し、疲れきった様子で今も隊列を組んで歩くのだそう。
また、ドーセット地方ではさらに古い時代の霊も確認されている。北部の街ボトルブッシュタウンには馬に乗り、自動車や自転車と並走する古代人の霊が出現するという。たまたまこの霊に遭遇した考古学者によれば、幽霊の格好は紀元前700~600年前の青銅器時代のものであったそうだ。また、同地方のクランボーン猟場には馬にまたがり石斧を振りかざす、毛皮を着た石器時代の人物と思われる幽霊が出るという。いずれも目撃され続けているという特徴があり、トレジャラーズ・ハウスの古代ローマ兵士の霊には「最も長い寿命の幽霊たち」という名目でギネス認定されているとか。
やっぱり幽霊は寿命などあってないようなものと考えた方がいいのかもしれない。成仏しない限りは。
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Do Ghosts Have a "Life" Span(coast to coast am)より
https://www.coasttocoastam.com/article/do-ghosts-have-a-life-span/