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「議員の子息」スピワー井戸田が見た魔性すぎる女

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スピードワゴン・井戸田潤

 スピードワゴンの井戸田潤はお坊ちゃまだった。実父は、元愛知県小牧市議会副議長の富隆氏。16年10月に下部消化管穿孔(せんこう)のため死去している。享年83だった。

 井戸田は、議員の息子ならではの経験をしている。父が当選したのは中学2年生の時。途端に態度を変えたのは、通っていた中学校の校長と教頭だった。それまでは顔と名前を覚えていなかったであろう2人は、花束を持って祝福しに来た。さらに、井戸田のことを「ご子息さま」と呼ぶようになった。井戸田少年が、悪い大人の見本を初めた瞬間だったが、不思議と悪い気がしなかった。

 権力を持った大人のウラを見たのは、それだけではなかった。身内に“魔性の女”がいたのだ。実母である。

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 中2の時、立候補した父の選挙活動を家族総出で手伝った。母も選挙カーに乗り、最終日には号泣した。「うちの富隆が本当にお世話になっています。たいした男ではないんですけども」と言いながらポロポロ落涙し、選挙区民、地元の有力者、支援者たちの涙を誘った。

 「協力者たちが『奥さん、がんばったねー』と感動しながら取り囲むのを、井戸田少年は遠目で見ていました。すると、お母さんは『ありがとうございます』と涙を拭きながら、井戸田さんに向かってウィンクをして、舌をペッと出したのです。涙は演技だったのです」(実話誌の取材記者)

 母は、女の涙が数字につながることを知っていた。妙縁だが、井戸田はこのおよそ18年後、女優の安達祐実と授かり婚する。結婚生活はおよそ4年で終わったが、平気で涙を流せる演技者と離れられない運命にあるようだ。

 対して富隆氏はオトコとしてストレートで、嘘をつけない。

 中2の時、父の人となりが書かれたパンフレットを集合団地にポスティングしていく作業を手伝わされた。父と息子で、AからD棟の団地を手分け。上の階から投函していき、終了したら中間地点で落ち合おうと約束していた。

 足が速い井戸田が先に作業を終え、待っていたがぜんぜん来ない。転んでケガしたのではないかと心配になって探しに行くと、父は「井戸田富隆」のタスキをかけたまま、廃品回収に出されたエロ本を立ち読みしていた。「何やってんだよ!」と語気を強めると、父はエロ本を手離すことなく、「親に向かって、なんだその口のきき方は」と説教した。

 「それでも副議長まで上りつめて、3期連続当選したのですから、父は偉大です。お父さんは2世議員誕生を夢見ていたようですが、息子はお笑い芸人になってしまった」(先の取材記者)

 井戸田は18年にNHK大河ドラマ「西郷どん」に出演して、時代劇役者としての評価を高めた。息子が国民的ドラマで花開かせた姿を議員パパが観ていたら、どう思っただろうか。

(伊藤由華)

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