>>新庄剛志氏、日本ハム電撃復帰“匂わせ”? SNS上での異変に憶測の声、テレビ番組では意味深発言も<<
しかし、球団OB、関係者などに話を聞き、考えを改めた。
日本ハムが最も欲しているのは“起爆剤”だ。最下位に低迷した雰囲気も一掃し、劣勢で進む試合でも「何か起きるかもしれない」と、ファンに思ってもらえるチームに改造することだ。それができるのは、新庄氏だけだ。
「球団というよりも、グループとしての判断」
そんな声も聞かれた。
「いつ頃から新庄氏の名前が出たのか、明確な時期は不明ですが、少なくともオリンピック・ブレイクが明けた頃は『次期監督の候補者リスト』にもなかったはず。稲葉氏が筆頭候補という空気でした」(球界関係者)
新庄氏が日本ハムに移籍してきた04年は、本拠地を北海道に移した最初のシーズンでもあった。同年オフ、移転効果について、球団と道内経済関係者を取材したが、新庄氏の「見せる」はさまざまな方面に好影響を与えていた。
「新庄選手が見たい」で、球場に人が集まる。日本ハム戦を観戦した帰りがけに立ち寄る札幌市内の飲食街も儲かる。東京、大阪からの野球観戦者も増える。そんな経済効果が聞かれた。
野球に関しても、同様だ。現役時代はさまざまなパフォーマンスでファンを喜ばせてきたが、一歩間違えば、「やりすぎ」「チャラチャラしている」といった批判に変わる。だが、当時の彼は「見せる」ということに、努力を惜しまない選手でもあった。
試合で選手が打席に向かう際、球場が音楽を流す。ここまではどの球場でも見られる光景だ。しかし、当時の球団スタッフによれば、新庄氏は打席に向かう際の約20秒の間、音楽のどの箇所で素振りをし、どういう仕種や表情を見せたら、盛り上がるかを計算し、20秒ピッタリに打席に立つ練習もやっていたそうだ。
また、新庄氏自身も「打てなかったら、カッコ悪い」と言って、裏では必死にバットを振り続けていたのだ。
「球宴でホームスチールを仕掛けたこともありました。ファンを喜ばせたい思いからでしたが、彼のスゴイところは、定石とは異なるプレーをした後、試合の流れや相手チームの心理面において、どんな効果が望めるのかを明確に語られるんです」(前出・球界関係者)
そう言えば、栗山英樹監督が就任した11年オフ、「プロでのコーチ経験もないのに?」と、その人選に首を傾げる関係者もいた。しかし、チームを優勝、日本一にも導き、中田翔、大谷翔平らを育ててみせた。
日本ハム球団は監督人選に長けている。営業対策としても伝えられているが、「監督・新庄」が実現したら、「勝利」と「見せること」の両方を兼ね備えたすごいチームに変貌するのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)