ある程度の質問内容は事前に伝えていた。31日のメキシコ戦についても答えてくれたが、ドミニカ共和国との初戦における“反省”の方が長くなってしまった。
「サヨナラ勝ちを収めたとは言え、試合運びの不味さも目立ちました。過ぎたことなので、蒸し返すようなことはしませんが」(スポーツ紙記者)
試合主導権を握れなかったことを「自らのミス」と認めた稲葉監督はさすがだが、2戦目となるメキシコ戦でも苦戦は避けられそうにない。
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「ドミニカ共和国との試合後、稲葉監督はコーチを集め、長く話をしていました。試合の反省、打開策を協議したようです。話し合いの詳細は分かりませんが」
関係者の証言だ。会議後、眉間に皺を寄せていたとのことなので、「反省点」はかなり多かったのだろう。
「対戦国の情報が少なすぎる」とも指摘されている。NPBはWBC、プレミア12大会などの国際試合前、現地に目利きのスコアラーを派遣するなどして情報を集めている。しかし、今回は新型コロナウイルスによる影響でそれができず、また、参加国のメンバーも流動的だったせいもあって、試合本番も“手探り状態”となってしまった。
「オンライン会見後、稲葉監督はイスラエル対韓国の試合を自ら視察しています。韓国は若いピッチャーが何人か入っており、その特徴がよく分からないんです」(前出・関係者)
決勝ラウンドでは韓国が強力なライバルになると予想しているのだろう。
稲葉監督は、メキシコ戦では左腕のマニー・バニュエロスが先発してくると予想していた。ドミニカ共和国の代表として好投した巨人・メルセデスを重ねている向きもあったが、こんな情報も聞かれた。
「かつては、ヤンキースのトップ・プロスペクト(有望な若手)に挙げられた好投手です。怪我もあって、マイナー数球団を渡り歩き、現在は母国のプロリーグで投げています。コントロールはアバウトと言っていた? その通りですが、重いボールを投げて力勝負をするタイプです。怪我さえなければ、今頃はメジャーリーグで活躍していたと思います」(米国人ライター)
バニュエロスは、昨季は台湾のプロ野球チームに在籍していたが、「オリンピックに出たい」との思いから母国・メキシコに帰還したという。「オリンピックに出たい」のウラには「自己アピールし、メジャーリーグに」と考えているからだろう。「投手としての特徴」は聞かされているはずだが、五輪の先を考えている出場選手はムキになってぶつかってくる。
「外国人投手はクイックモーションが上手ではないので、盗塁を仕掛けていきます。出塁した選手が『走れる』と判断すれば、ノーサインで盗塁してもいい、と」(前出・関係者)
得点圏に進んだ走者をシングルヒットで返す攻撃となりそうだ。メキシコ戦では機動力に注目だ。(スポーツライター・飯山満)
※外国人選手のカタカナ表記はオリンピック公式アプリを参考といたしました。