まず月曜日にはあっと驚くトレードの知らせが届いた。ベイスターズは信頼できる先発陣が、開幕投手を務めた濱口遥大と、左肩の手術から復活した今永昇太の両左腕だけとなっている。唐川侑己、ハーマンが交流戦で離脱し、昨年の澤村拓一の抜けた穴を埋めたいマリーンズと思惑が一致。国吉佑樹と有吉優樹の1対1トレードが成立した。三原一晃球団代表も有吉について「先発投手として試合をしっかりと作れる投手。ローテーションの一角を担ってほしい」と期待。本人も「役割をしっかり把握しながらやっていきたい」と意気込んでいた。
翌日には左肘の故障で2019年8月15日にトミージョン手術を敢行し、長いリハビリから復帰した田中健二朗と支配下選手契約を結ぶことを発表した。田中は3月16日の教育リーグで復帰し、今シーズンはファームで21試合、防御率は3.48。しかし失点は開幕戦と4月2日、5月半ばの途中登板に、回またぎを含む5試合のみでその他はおおむね安定している。三浦監督も「ファームで回またぎ、イニング途中、2イニング」と一軍を見据えての登板を重ねた点を評価し「経験豊富な投手ですから、ブルペン陣を引っ張ってもらえるように」とベテランの味に期待していた。
くしくもDeNAの前、TBS時代を知る2人の連日のニュースは、ベイスターズファンの心境を揺らし続けた。現役TBSベイスターズ戦士は、元ロサンゼルス・ドジャースの筒香嘉智と上記の2人のみとなっており、古参のファンにとっては特に思い入れの強い選手たち。また昨年戦力外通告を受けた石川雄洋氏の引退セレモニーが6月5日に行われてすぐのニュースに「感情が追いつかない」と感じたファンは数知れない。ベイスターズは若いチームだけに、TBSからの在籍というと大ベテランと思いがちだが、最年長の田中ですら今年32歳。3人のTBS戦士には息の長い活躍で、まだまだ歴史を紡いでもらいたい。
取材・文・写真 / 萩原孝弘