6月2日、埼玉西武戦。原辰徳監督は6人の投手をつぎ込み、勝利をもぎ取った。「総力戦」と評するプロ野球解説者もいた。3回裏、失点を許したとは言え、先発の横川凱投手に代打を送られた時、「救援投手陣は大丈夫か?」と“登板過多”を懸念する声も出た。
「首位阪神とのゲーム差がなかなか縮まりません。救援投手たちに踏ん張ってもらう試合がしばらく続きそうです」(プロ野球解説者)
そんなスクランブル態勢の継投策が繰り広げられていた裏で、2人の元巨人投手の名前が囁かれていた。
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「1人は、明日(3日)の先発が決まった内海哲也投手ですよ。内海にかわいがってもらった後輩投手はたくさんいますからね」(スポーツ紙記者)
7回裏、明日の先発投手が発表された際、「内海」の名前がコールされるのと同時に拍手が送られた。メディアが期待していたような“興奮”はなかった。移籍して3年、故障などで活躍できていないせいだろうか。
そして、試合開始前から「正式発表まで10日も掛からないのではないか?」と名前が挙げられていたのが、山口俊投手だ。
米大リーグ、SFジャイアンツ傘下のマイナーチーム・3Aサクラメントで奮闘しており、「メジャー昇格の可能性が消えた時点でフリーエージェントとなる契約条項があり、それが行使された」との一報が飛び込んできたのだ。
関係者は「知らない」「分からない」と言うだけだったが、日本帰還となれば、巨人との交渉が最優先とされるはず。救援陣の登板過多も「山口が帰ってくるまで」とすれば合点がつく。こんな情報も聞かれた。
「山口はリリーフもできます。ブルペンの中心選手として、後半戦でフル回転してくるのではないか。今年のキャンプイン直前、ブルージェイズを解雇された時点で、巨人と山口サイドは連絡を取っており、山口の『ラストチャンスに懸けたい』とする気持ちを優先させたようです。山口は深く感謝していて、両者の関係はさらに深まった、と」(球界関係者)
とは言え、一連の新型コロナウイルス禍により、「帰国=即チーム合流」とは行かない。一定期間の隔離生活もあり、その後に調整を行うので、「山口が凱旋登板を果たすのは8月になるのではないか」との声も聞かれた。
「8月」と言うのは、東京五輪の開催期間中の中断も含めてだが、
「楽天の田中将大投手は、本来のピッチングスタイルを取り戻していません。NPB公式球に戸惑っているのか、それとも、米国よりも柔らかいマウンドの影響なのか分かりませんが」
と“環境の違い”から、山口に過剰な期待を寄せる状況に否定的な意見も聞かれた。
「交流戦が終わったら、トレードを仕掛けるのではないかとも囁かれています」(前出・スポーツ紙記者)
シーズン中のトレードとなるが、同一リーグは交渉相手にできない。サインを変更する必要があるからだ。トレードとなれば、巨人側もそれ相当の交換要員を出さなければならない。山口帰還が囁かれているのはトレード交渉がうまく行っていないことの裏返しかもしれない。(スポーツライター・飯山満)