さて、このオウムアムアは太陽系の外から飛来したこと、また内部が高温になっていることなど、様々な点がこれまで知られていた小惑星と大幅に違うことから「地球外知的生命体が宇宙を航行するために作り出したものではないか」という説も出てきていた。確かにUFOの母船とも言われる大型の葉巻型UFOを思わせる形状と挙動のため、そう考える人がいても不思議はないかもしれない。しかもこの説は専門知識のある学者からも出てきているのだ。
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「オウムアムアは知的生命体の産物」説を唱えている人物の一人が天体物理学と理論物理学者のアブラハム・ロエブ氏だ。彼は学術誌『The Astrophysical Journal Letters』で「高度な技術装置の残骸であり、恒星間を漂っている」「地球外文明によって意図的に送り込まれた、探査機である可能性も捨てきれない」としている。
「太陽系の外から来たとはいえ、当初は彗星のようなものではないかと考えていました。しかし、彗星にはガスの痕跡が残っていますが、オウムアムアからはガスが確認できなかった。明らかに彗星とは違います」
この特徴から、ロエブ氏はオウムアムアが光の反射で進む「ソーラーセイル」ではないかと推察する。
「オウムアムアの後ろには彗星のような尾もなく、ガスに押されて進んでいるわけでもありません。おそらく異星人は光の反射で進む帆、ソーラーセイルで推進力を得ているのではないでしょうか。船の帆が風をはらんで進むのと同じように、ソーラーセイルは光子を受けて進みます。このような帆は自然界に存在しませんし、現在の技術でも作ることはできませんが、オウムアムアを送り込んだ知的生命体はそれを作り上げたのです」
ロエブ氏は自身の新しい著作「Extraterrestrial: The First Sign of Intelligent Life Beyond Earth(地球外生命体:地球を超えた知的生命体の最初の兆候)」で自分の信念が天文学系の分野で孤立していることを認めた上で、自説を詳しく説明している。
なお、確かに天文学的にオウムアムアは既知の天体と違った挙動をしているが、小惑星の一種であるという見解がほぼ正しいとみられている。しかし未だに正体は不明なままなので、今後も研究は続けられていくことだろう。
(山口敏太郎)
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参考書籍
Extraterrestrial: The First Sign of Intelligent Life Beyond Earth (English Edition)
https://www.amazon.co.jp/Extraterrestrial-First-Intelligent-Beyond-English-ebook/dp/B081TTY4NX