動画の内容は、ベスト3形式で5年後に天下を取っていそうな芸人を発表していくもの。スキンヘッドの坂井良多が1位に選んだ「サイボーグ明石家さんま」など明らかなネタ・ボケ回答もあるが、さもありなんと思わせる人選も多い。もともと鬼越の毒舌芸は、相手の個性などを細かく観察した批評性のあるもの。実際に候補に挙がった中で、活躍の兆しを見せている芸人もいる。
まず挙げられるのが、おばたのお兄さんだろう。金ちゃんが1位に挙げており、YouTubeに力を入れているおばたは「5年後ははじめしゃちょーみたいになっている」と大胆予想。頭のキレも良く、「note」でのテキスト配信など、理論を使う仕事もこなしており、自分でコンテンツを作り上げる能力に長けている点を指摘。実際にInstagramでは、「小学生のコータ」に成り切った「あるあるシリーズ」が、ネットで高い人気を博している。
>>各方面からの評価が高まるおばたのお兄さん、コロナ禍で台頭する芸人に?<<
ポテンシャル(潜在能力)の高さでは、井下好井の好井まさおも注目だ。同期のすゑひろがりず・南條庄助が3位に挙げていた。好井は、ピース・又吉直樹原作の「火花」へ出演したが、2020年にその体験を回想した「note」を公開したところ、閲覧数がうなぎのぼりだったようだ。南條は「それこそ(5年後くらいに)『半沢(直樹)3』とかあったら、好井が出ていてもおかしくない」と絶賛。芸人と言うよりは、俳優として才能が花開くかもしれない。
さらに、ピン芸人の岡野陽一も忘れてはいけない。空気階段の水川かたまりは「芸人としての地肩がめちゃくちゃ強い」と1位に挙げていた。クズ芸人と言えば、相方の鈴木もぐらがブレーク中だが、現時点でも1000万円以上の借金を背負う岡野はその比ではない。さらに、鈴木の場合、クズ芸は周りからイジられることで成立するが、岡野は自ら笑いを取りに行け、大喜利やコントなどもマルチにこなせるという。『MEN’S NON-NO』(集英社)2021年1月号のインタビューに登場するなど、すでにメディアから注目されており、今年ブレークする兆しはあると言えるだろう。