シンガポールに住む30歳の女性が父親から虐待を受け、父親が警察に拘束されたと海外ニュースサイト『Mothership.SG』と『Mustsharenews』が11月24日までに報じた。
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報道によると、女性は、実家で両親とともに3人で暮らしていたという。女性は父親から門限を決められ、毎日19時までに帰宅しなければならなかった。女性は仕事で間に合わないこともあったが、そうすると家に入れてもらえなかった。門限を過ぎると女性だけではなく、女性の母親も一緒に父親からひどく叱られたといい、女性はたいてい家の外で過ごしていた。母親が深夜、「父親が寝た」と女性に知らせ、女性は父親に気づかれないように家の中に入っていた。
女性は門限を破ることで父親から暴力を振るわれることもあったが、門限を破る以外のことでも、何らかの理由をつけられ日常的に父親から暴力を受けていた。ある日、何らかのきっかけで父親が女性に暴力を振るったが、女性が暴力を受けていることに耐えかねた母親が、警察に通報。父親は警察に拘束された。父親が警察に拘束されたことで、父親が門限を定めて、門限を破ると女性を虐待していたことが明らかになったそうだ。
『Mothership.SG』によると、女性は実家を出ずにい続けた理由について、「父親が母親を殴るときもあるので、母親を置いて家を出ることはできなかった」と話しているという。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「最低な父親。いつから虐待が始まったのかは分からないけど、きっと幼い頃からだろう。女性は30歳になるまで耐えていたのか」「どこかのタイミングで実家を出られたらよかったのに」「虐待を受けていると、それが普通になり我慢できると思ってしまう。実家を出る考え自体が浮かばない」などの声が挙がっていた。
海外だけではなく、日本でも成人した子どもが親からの虐待に悩んでいるケースは多く、日本のネット上には虐待を受けたという体験談がいくつか報告されている。
実家に暮らす22歳の社会人だという女性は、門限を18時に設定され、遅れると両親から罵倒し続けられるという。社会に出て仕事をしている今、残業で遅くなることも多いため、罵倒され続ける日が続いているそうだ。両親を恐れ、今まで意見を言ったことはなく、どうしたらいいのか分からないと悩んでいるという。
また30代の実家暮らしの女性は、両親にスマートフォンを毎日チェックされ、友人とのメッセージで何か両親にとって気に入らないことがあると、どなり散らされたり、食事を与えてもらえなかったりするそうだ。特に父親は、男性とのメッセージのやりとりには厳しく、内容があいさつ程度であるにもかかわらず、機嫌を損ねる。女性は働いているが給料は全て両親が管理しており、毎日金銭はもらえるが、昼食がまかなえる程度の金額なため、気軽に外食もできない。また、スマートフォンにはGPS機能がついており、勝手に外食をしたり、遠くに出かけたりすると、家に入れてもらえなくなるという。
成人して社会に出た子どもも親からの虐待の被害に遭っているようだ。幼い子どもに対してだけではなく、成人した子どもの虐待被害についても、もっと深刻に議論していく必要があるだろう。
記事内の引用について
「S'pore woman, 30, allegedly locked out of home by dad if she's not home by 7pm」(Mothership.SG)より
https://mothership.sg/2020/11/woman-locked-out-by-father/
「30-Year-Old Allegedly Gets Locked Out By Dad If She’s Home Late, Social Worker Says It’s Domestic Abuse」(Mustsharenews)より
https://mustsharenews.com/woman-dad-locks-out/