番組最終盤に、安倍政権の「7年8か月」についてコメントを求められた青木氏は「これだけの長期政権なんで、功罪両方あるという風に申し上げたいんですけども、個人的にはやっぱり罪があまりにも大きかったなと」と批判する。
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そして、「例えば安保法制なんかは、憲法解釈、戦後の日本の政権がかろうじて守ってきた憲法解釈を閣議決定でひっくり返す。一方で憲法が定める民主手続きみたいなものを軽視。国会を軽視してきたってところもありますし。人事権もこれまで一応やっちゃいけないと言われた人事も放発に行使して、結果として官僚に忖度が蔓延して、ありとあらゆる疑惑とか不祥事ってものを嘘、詭弁でごまかして、結果的に公文書の改ざんまで引きを起こしちゃった」と非難する。
さらに、「ヘイトスピーチだったりとかその排外主義みたいなものを、これは政権だけのせいじゃないと思うんですけれども、明らかに煽ったっていう意味でも問題だし、それからまた外交にしても、アメリカも大切なんだけれども、ある種媚びへつらい、武器を爆買いして対米外交ってものを歪めたところもあるし」とコメント。
続けて、「日朝も、一丁目一番地だったはずなんだけれども、結局8年もあってほぼ何も前進しなかった。それから、ネポティズムっていうなんか縁故主義って、仲間は大事にするけど敵はもう絶対許さんみたいなところも分断ってのもありましたし」と話す。
また、「憲法に緊急事態条項が必要だって言ったわけですよね。それだったら緊急事態危機管理に強いのかなと思ってたら、コロナっていう本当の危機の時、後手後手でピント外れで。最終的に体調壊されちゃったっていうあたりが、この政権の何か全体を象徴してたのかなっていう感じが僕はしてますけどね」と約2分30分にわたり、安倍政権を一方的にこき下ろした。
この内容に、一部視聴者からは「安倍政権はアベノミクスなど民主党政権の失政から経済を立て直したことは明らか。功の部分に言及せず批判だけ放送するのはアンフェアだ」「各国の首脳は安倍政権を評価している。その部分にも触れるべきだ」「安倍晋三首相へのヘイトスピーチではないか。『お疲れ様』とか、病気を心配する人が誰もない」「青木氏の言っている内容の根拠について、データなどを交えて説明していない、これは単なる悪口」と怒りの声が上がる。
一方で、立憲民主党支持者などからは「その通り」「罪しかなかった」「安倍政権を褒めようにも要素がない」と支持する声も少数ながら上がった。
思想の自由が認められる日本だけに、安倍政権について批判的意見を持ち、発信することは基本的に自由である。しかし、アメリカのトランプ大統領などの各国首脳や、日本国民の中にも評価する人がいる中で、功の部分に触れず、公共の電波で約2分30秒にわたり、安倍晋三首相を一方的にこき下ろす発言を放送した『サンデーモーニング』に、ネット上では違和感や嫌悪感を示す声が多く上がった。番組関係者や青木氏はこのような民意をどう考えているのだろうか。