石橋の番組は、ゴールデンタイムから、深夜23時、深夜0時25分と放送時間がどんどん深くなってきている。そのため、フジテレビ黄金期の立役者と言える、とんねるず石橋は土俵際まで追い詰められたかと、当初は言われてきたが、意外にも番組の評判は良い。
>>あの騒動のダメージをもろに受けたわずか5カ月で終了するフジのバラエティー番組<<
その理由として挙げられるのは、完全なる深夜帯に移ったことで、余計な要素がなくなり、トークのみのシンプルな構成になった点がある。「たいむとんねる」は約2年間の放送期間中に、何度も「テコ入れ」が行われてきた。グルメ情報を取り入れるなどしてきたが、コアなファンからは評判が悪かった。
『石橋、薪を焚べる』はトーク番組であり、選ぶゲストも石橋と同業者のお笑い系か、興味関心の強いスポーツ系に二分される。カンニング竹山、博多華丸、ナインティナイン岡村隆史など後輩芸人とじっくりと語り合うほか、スポーツ系ではメジャーリーガー・前田健太投手や元プロ野球選手の清原和博氏をゲストに招いている。清原氏には「なぜ薬物に手を出してしまったのか」をストレートに問いかける場面も。
石橋は「みなおか」の「食わず嫌い王選手権」のほか、『うたばん』(TBS系)で多くのミュージシャンと絡むなど、ゲストを立てる番組での「回し」能力の高さに定評がある。これまで石橋が培ってきた能力が、この番組でいかんなく発揮されていると言えるだろう。
深夜番組は視聴率を気にしなくてよい分、ハチャメチャな内容も許される場と言われてきた。出演者がやりたいことが、とことん突き詰められる場なのかもしれない。石橋の場合、年齢を重ね得られた落ち着きが、良いグルーヴ感を生み出していると言えそうだ。