坂本勇人の名前がスターティングメンバーに入っていない…。
「大阪方面の天気予報は『雨』でした。でも、試合をする方向で調整が続けられました。グラウンド整備もされたんですが」(在阪記者)
中止の最終決定が下されたのは、試合開始の10分前。午後5時50分、雨足が急に強くなり、グラウンドに出ていた選手たちがベンチに飛び込んだ。原辰徳監督は“チームリーダー不在”の試合が中止となり、安堵していたのかもしれない。
「脇腹を痛そうにしていたそうです。練習中のその様子を見て、大事を取って休ませることになりました」(スポーツ紙記者)
思い出されるのは、新型コロナウイルス感染による入院と、開幕戦に間に合わせようと急ピッチで調整したこと。坂本は無理をしているのではないだろうか。
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坂本のスタメン落ちと重なって、こんな情報も飛び込んできた。
阪神対巨人戦が2日続けて中止となり、その代替試合は9月7日と10月5日に設定されることが濃厚だという。
そうなった場合、巨人は9月1日から13連戦を戦い、1日休んで、9連戦。9月の30日間で27試合を消化しなければならない。試合中止となった時点で、原監督はこのスケジュールの過密化について質問され、「致し方ないでしょう」と淡々と返していたが、第2、第3の坂本が現れないという保証はどこにもない。
「坂本を休ませる試合も出てきそう。坂本の代わりにショートを守れる選手はいますが、彼は精神的支柱でもあり、チームの士気に影響しそう。でも、故障して長期欠場されるよりは…」(球界関係者)
巨人のチーム打率は2割7分3厘で、リーグ3位。ペナントレース開催前に危ぶまれていた投手陣は、チーム防御率3・27。こちらはリーグトップだ。3点台の防御率からも分かるように、セ・リーグは打高投低の傾向にあり、「打線の好調さを維持するか」、「投手陣を再整備してロースコアに持ち込むか」は、監督次第となる。
「先発争いから脱落した今村、高橋優、故障で出遅れた畠らの状態が上がってきたとの報告もあるので、投手力の野球に切り替えるのではないか?」(前出・同)
走者を背負う場面になると、坂本がマウンドに行き、声を掛けている。無観客試合のせいだと思うが、その声掛けがよく聞こえる。大したことは言っていないのだが、その絶妙なタイミングがチームを救ってきた。チームリーダーが内野フィールドにいることが、原巨人の強さなのかもしれない。過密スケジュールとなる9月以降、“坂本抜き”となれば、勝敗に大きく影響してくる。ペナントレースは大波乱となりそうだ。(スポーツライター・飯山満)