試合数削減の影響により勝利や本塁打といった積み上げ式の記録が伸び悩むとみられている今シーズンだが、そのような状況でも大記録の達成を期待されている選手はいる。史上2人目となる「3年連続120打点」がかかる西武・山川穂高もその1人だ。
2013年のドラフトで2位指名を受け西武に入団した28歳の山川は、プロ1年目の2014年から2017年までの4年間で計97打点だった。ただ、2018年にそれまでの通算を大きく上回る124打点を記録すると、翌2019年も120打点をマーク。プロ野球史上6人目となる、2年連続120打点をクリアした選手となった。
その山川が目指す「3年連続120打点」は、過去に2年連続120打点をクリアした5名のうち、2004年に平成唯一の三冠王に輝いたことでも知られるダイエー・ソフトバンクの松中信彦(2003-2005)しか達成できていない記録。また、今シーズンは120試合しか行われないため、毎試合1打点以上を挙げなければ届かない計算にもなる。
達成へのハードルが極めて高いこの記録を、山川が達成するためには何がカギとなるのか。その1つとなりそうなのが“対楽天戦”。昨シーズンの山川はソフトバンク、日本ハム、オリックスからはそれぞれ24打点、ロッテからは22打点を挙げているが、楽天からは16打点しか挙げられていない。
今シーズンのパ・リーグは移動で生じる新型コロナウイルスへの感染リスクを下げるため、同一球団との6連戦を中心とした日程が組まれている。楽天への苦手意識を持ったままだと、楽天との6連戦が足かせとなり打点が伸び悩む可能性があるため、序盤の楽天戦で苦手意識を払しょくするような活躍ができるかどうかが記録のカギとなるだろう。
また、今シーズンは各球団で投手陣の調整不足が叫ばれており、序盤は打ち合いとなる試合が続出するのではとみられている。相手投手の調子が戻ってない隙にどれだけ打点を荒稼ぎできるかも、記録達成を左右することになるかもしれない。
6月19日に行われた開幕戦・対日本ハム戦では、「4番・一塁」でスタメン出場した山川。リーグ2連覇中のチームを背負う強打者は、果たして史上2人目となる偉業を達成することはできるだろうか。
文 / 柴田雅人