これについてネットでは、『復帰は早すぎる』『芸能界は甘い』という厳しい意見があるが、その一方で、『ちゃんと払ったならもういいのでは』『不倫よりはマシ』『復帰嬉しい!』といった寛容な声も多く見られる。
申告漏れと所得隠しは、結果的に「うっかりしていた」ということで済まされているが、納税義務を怠っていたことには変わりなく、本来ならば「うっかり」だけでは済まされるはずがない問題だった。
同じく昨年、闇営業問題を起こして謹慎していた宮迫博之は、YouTubeチャンネルの開設ですら厳しい声が多い中、なぜ徳井はこうもあっさりと世間から復帰を受け入れられたのだろうか。
まず、徳井の起こした納税問題に関しては、無申告というだけで不正が認められなかったため、悪質とは判断されず、逮捕にまで至っていないという点は大きい。
これを機に、かねてから書類整理や支払い関係に対して先送りしがちな面が公になったが、このような悪意のない「うっかり」や「だらしなさ」は、規模の違いはあっても、誰もが一度や二度は経験があり、共感されやすいポイントの1つと言える。
また、徳井は脱税以外で特に悪い噂がなく、そもそも好感度が高かった。例えば、宮迫はもともとツッコミ役で威圧感があったことが、好感度に影響した部分もあったが、徳井はボケ役だからか、そのリスクが無くて済んだようだ。
「イケメンなのに変態」という憎めないキャラも、好感度の理由の1つだろう。それも、ただ変態キャラだけが際立っているというわけでなく、自然と場の雰囲気を和ませるような力も持っている。
例えば、恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ)で、レギュラーのコメンテーターとして出演していた徳井。同じくコメンテーターのお笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太と共演していたが、徳井が謹慎して居ないことで、テラスハウスの住人に対する山里の辛口コメントを中和させる者がいなくなり、番組の内容に影響が出て炎上してしまったというエピソードもあった。番組ファンからの苦情について、山里は自身のツイッターで、「届いております。徳井さん、助けて…このままだと僕は…」と訴えかけるなど、徳井の復帰を熱望していた人物の1人でもある。
さらに、納税問題の発覚直前に出演していたNHK大河ドラマ「いだてん」では、1964年の東京五輪で「東洋の魔女」と呼ばれた日本女子バレーボールを金メダル獲得に導いた大松博文監督役を熱演。好感のある役柄へのハマり具合と演技力を高評価されていた。納税問題発覚後に徳井のシーンをカットしなければならなくなった際、スタッフは「もったいない」と頭を抱えたという。
業界関係者には、徳井を擁護し、応援する人が多い。そんな様子からは、徳井の人望の厚さが窺える。それが世間からの徳井の人柄の判断と、ひいては事件が本当に悪質なものではなかったかどうかの判断材料として貢献しているに違いない。
徳井の復帰後の活躍に期待と注目が集まる。
文:心理カウンセラー 吉田明日香
記事内の引用ツイートについて
山里亮太の公式Twitterより https://twitter.com/YAMA414