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名医・博士の健康術 ★今週のテーマ 免疫力が上がる食事術

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提供:週刊実話

「腹八分目」を意識して“まごわやさしい”食材を!食事のとり方、食べ物の選び方で「免疫力」は高まる!!

 高い人は病気になりにくく、低い人は不調が起こりやすい「免疫力」。前号では日常生活のひと工夫によって免疫力を高めるコツを紹介したが、食生活の改善や、高めるのに有効な食べ物をとることも、免疫力を上げるための1つの方法だ。イシハラクリニック副院長で、テレビや執筆などでも活躍する石原新菜先生は、第一に「腹八分目」を提唱する。

「空腹になる間もなく食べ続けると、胃腸などの消化器官は休みなく働くことを強いられます。その結果、血液が消化器官に集中し、熱を生み出す筋肉や心臓などへ供給される血液が減少し、体温が下がります。そうなると体が冷え、なおかつ血液中の老廃物が増加して、免疫力が下がってしまいます。だからこそ、食事は腹八分目に抑えることが大事なのです」

 さらに、食事と食事の間隔にも気をつける必要がある。基本的には5時間以上あけるのが理想で、就寝の3時間前に食事を終えることでも免疫力が高められる。朝食と昼食は少なめに、夕食も腹八分目を心がけるのがポイントだ。飲み会の次の日の朝食は、βカロテンが豊富な、にんじんジュースを代用するのもよい。

★体を温めるしょうが

「糖質のとりすぎは血糖値の急激な上昇を招き、免疫力を低下させる原因になります。そのため、ランチで定食を頼む時は、ご飯を半ライスにするのがお勧めです。また、食べ物をよく噛まずに早食いすると、肥満や糖尿病のリスクが高まり、これもまた免疫力の低下を招く恐れがあります。自分が早食いだなと思ったら、時間をかけて食事をすることを意識し、肥満予防などを心がけるようにしましょう」(石原先生)

 普段の食生活から血糖値を上げない食品を選ぶ工夫が必要だが、主食となる炭水化物類は糖質が多い傾向にある。白米は玄米や雑穀米、中華麺はそば、フランスパンは食パンなど糖質の少ないものに置き換えよう。

 日常生活の項でも紹介したが、体の「冷え」は免疫力を低下させる。冷たいものを食べると胃や小腸が冷えるので、機能が低下して免疫力が下がってしまう。そこで、冷たいものを飲む時は、口の中で少し温めてから飲み込むとよい。もちろん、氷をたっぷり入れたドリンクはNGだ。

「レタスやきゅうりなどの夏野菜、バナナなどの南方産の食べ物は『陰性食品』といい、体を冷やす作用があるとされています。体温を上げたいのであれば、冬が旬のものや原産地が寒い土地の『陽性食品』を積極的にとりましょう。食事で体を温め、『冷えにくい体』を作ることが、免疫力のアップにつながります」(石原先生)

 体温を上げて冷えを改善し、免疫力を高めるのにお勧めなのが、医療用漢方の7割以上に使用されている「しょうが」である。辛味成分のジンゲロールは、末梢の血管を拡げ、血流をよくして体を温めてくれる。さらに、ショウガオールという成分には、体の内側から発熱させて体温を上げる効果がある。紅茶などにおろししょうがを入れるだけでも効果的なので、毎日の食事に加えていこう。

★食事で目指す免疫力アップ

 免疫力を上げる食材の合言葉に、“まごわやさしい”がある。健康になるためにとり入れたい食材の頭文字をそれぞれとったもので、「ま」は納豆や大豆といった豆類、「ご」はごま、「わ」はわかめなどの海藻類、「や」は野菜全般、「さ」は魚、「し」はしいたけなどのきのこ類、「い」はじゃがいもなどのいも類を指す。

 これらの食材はすべて良質な栄養を含んでいるので、毎日の食卓にとり入れることで、自然と健康的な食生活を送ることができる。

「野菜や果物などの皮やアクは『ファイトケミカル』といい、有効成分が多く含まれています。例えば、ごぼうは水にさらしてアクを抜くと、有効成分が流出してしまいます。野菜や果物は、なるべく丸ごと食べるようにしましょう」(石原先生)

 私たちが何気なく飲んでいるみそ汁も、大豆から作られていることから、免疫力を上げる作用がある。みそに含まれる乳酸菌やオリゴ糖、色素成分のメラノイジン、具材からとれる食物繊維など、腸内環境を整えてくれる成分もたっぷり含まれている。

 また、健康のことを考えると間食は控えるべきだが、どうしても何か食べたいときはアーモンドがお勧めだ。ビタミンEの含有量が飛び抜けて多く、強い抗酸化作用によって免疫力を低下させる活性酸素を取り除いてくれる。さらに、満腹感を得やすい食物繊維も豊富なので、腸内環境を整えて便通をよくしてくれる。

 他にも、善玉菌を増やして腸内環境を整えるヨーグルト、ポリフェノールの抗酸化作用が細胞の老化を抑制するカカオ含有量70%以上の高カカオチョコレート、不足しがちな野菜が気軽にとれる野菜チップスなどが免疫力を高めてくれる。

★刺激物でデトックス

「辛い」「酸っぱい」「苦い」といった味は、好き嫌いが分かれるところだが、こうした刺激のある食べ物には、体にとってよいデトックス効果がある。

「辛いもの、酸っぱいもの、苦いものといった“刺激物”を食べると、体は『嫌なもの』が入ったように感じ、排出しようとします。その結果、胃腸の働きが活発になり、副交感神経が優位になって、体の緊張が緩まります。そうなると体がリラックスし、免疫力のアップにつながります。ただし、食べすぎは胃腸に悪いので、食べる時は、ほどほどを心がけましょう」(石原先生)

◉食べると免疫力が上がる合言葉
ま:豆類
ご:ごま
わ:わかめ(海藻類)
や:野菜
さ:魚
し:しいたけ(きのこ類)
い:いも類

◉石原新菜先生推奨!
 免疫力アップの10の食材
*ブロッコリー
抗酸化作用があるビタミンA・C・Eをすべて含み、活性酸素を除去する力がある。特にビタミンCは白血球の働きを活性化させる。
*しょうが
ポリフェノールの一種であるジンゲロールには、強い抗酸化作用がある。体を内部から温める効果があり、冷えを防いで免疫力を高める。
*キャベツ
抗酸化作用を有するビタミンCが豊富。ビタミンUには胃粘膜の修復をサポートする効果があるので、新陳代謝を上げて免疫力を上げる。
*にんにく
におい成分であるアリシンなどの硫黄化合物には、強い抗酸化作用がある。疲労回復や免疫力をアップさせる。
*ねぎ
疲労回復効果があるアリシンを含み、抗酸化作用がある。ビタミンCやβカロテンも豊富で、風邪対策にもなる。
*玉ねぎ
血液をサラサラにする硫化アリルが豊富。強い抗酸化作用を有するケラセチンの含有量は、野菜の中で特に多い。
*大豆製品
大豆の良質なたんぱく質は免疫細胞の材料で、血液中のコレステロールを下げる。動脈硬化の予防にも役立つ。
*鮭
抗酸化成分のアスタキサンチンを含み、活性酸素を除去して免疫力をアップさせる。動脈硬化の予防効果もある。
*エビ
アスタキサンチンと細胞の酸化を防ぐビタミンEを含む。殻には免疫機能を高めるキチン質も含むので、捨てるのはもったいない。
*スパイス
ターメリックのクルクミンや唐辛子のカプサイシンといった成分には、強力な抗酸化作用や体を温める効果を持つ。

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監修/石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。1980年長崎県生まれ。2006年帝京大学医学部卒業。現在は父・石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法による治療にあたる。テレビ、講演、執筆などでも活躍中。

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