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昆布が大ピンチ! 温暖化の影響で“深刻な不漁”仕入れ値が2倍以上に高騰

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提供:週刊実話

 地球温暖化の影響で北海道や東北に分布する昆布の漁獲量が激減。近い将来、日本から昆布が消滅する危機が予測され、業界の死活問題に発展している。

 日本で食用に使用されている昆布の約9割は北海道産。中でも真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布、長昆布が有名だ。北海道の昆布漁は毎年7月から9月にかけて沿岸部で行われる。日本昆布協会によると、1995年に年間約2万8000トンあった昆布漁獲量は、2019年には約1万3000トンと、25年間で半分以下に激減している。

「昨年はサンマやイカ、サクラエビの不漁が深刻な問題として取り上げられましたが、昆布の漁獲量も年々減少していたのです」(漁業情報センター関係者)

 北海道などに分布する昆布は適度な水温で生息するが、北海道周辺海域の水温は上昇傾向にあるという。

「専門家によると、暖かい対馬海峡の勢力が強まって道南海域の海水温が上がっているというのです。太平洋沿岸を通る冷たい海流の親潮も岸から離れて流れるようになり、道東の沿岸部も同様に高水温化が進んでいるため、昆布が育たないといわれているのです」(水産庁関係者)

 不漁の影響で昆布の仕入れ値は5年で2倍以上にハネ上がった。江戸時代、北前船で北海道産昆布が上方へ運ばれて以来、“だし文化”が根付いた大阪では、昆布問屋や加工販売店、和食店などが悲鳴を上げている。

「寒い時期に食べたくなる鍋料理は昆布だしが命。値段が上がれば当然、消費者離れが起こる。すでに営業休止に追い込まれた昆布専門店も出ていますよ」(在阪マスコミ関係者)

 しかも、高級昆布の代表である真昆布は、
「この10年間で3分の2まで減少している。サンマやイカと違って、昆布漁は復活のメドが立たない。それどころか、温暖化が進めば2090年には北海道周辺の海水温が最大で10度ほど上昇して、現在の東京湾と同じくらいの海水温になる可能性がある。そうなれば、日本沿岸に生息する11種類の昆布は絶滅するかもしれません」(前出の漁業情報センター関係者)

 だし文化を守るべく、さまざまな対策が急務だ。

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