清水監督は現役時代ロッテ (2000-2009)、横浜・DeNA (2010-2012)の2球団でプレーし、通算で「294試合・105勝100敗・防御率4.16」といった数字を残した投手。無所属の状態を経て2014年に引退した後は古巣ロッテやニュージーランド野球代表で投手コーチを歴任し、2019年10月8日に琉球の初代監督に就任している。
村中を獲得した狙いについて、清水監督は「投手が今(チームに)8人いるという中で『これで全部ではない』ということを球団と話していたところ、球団が(新戦力の)獲得を検討してくれることになりました。(中でも)左投手というものは貴重な存在ですし、今後チームのエース格となってもらえるような選手(が欲しい)ということで探していました」と、実績のある左腕がチームの補強ポイントであったからだと説明。
続けて、「(交渉の結果)村中選手から『ここでプレーしたい』という言葉をもらえた。今日はこうして皆さんの前で会見ができて嬉しく思っています」と発言し、日本プロ野球(NPB)で通算46勝をマークしている左腕である村中の加入に満足感をにじませていた。
清水監督は「村中投手はABL(オーストラリアのウインターリーグ)でプレーした経験を、他の選手と長い時間をかけて話せる。(これは)経験したことのない選手にとっては必ずプラスになると思っています」と、プレー面以外での狙いについても言及。つい最近まで異国の地でプレーしていた村中の経験・体験は、他の選手にも好影響をもたらすと断言していた。
一方、村中は会見の中で将来的にNPBに復帰したい意向も口にしているが、この点についても清水監督は「それも一つの目標としてあっていい」と歓迎。会見に同席した北川智哉球団代表は「3年で(新規参入)機運を作る」と球団としての目標を口にしていたが、清水監督は個人的なNPB復帰についても「選手の目標がどんどん高くなる。そういった部分に非常に期待しています」とチーム全体に刺激をもたらすことを期待していた。
なお、村中の名が伏せられたまま12日に球団公式サイトで予告されていた今回の入団会見について、ネット上からは鳥谷敬(元阪神)、新庄剛志(元阪神・日本ハム)、川崎宗則(元ソフトバンク)、西岡剛(元ロッテ・阪神/現BC栃木)など様々な元NPB選手の名も取り沙汰されていたが、この点について北川代表は「プロ野球はプロの世界ですので、もちろんネームバリューというのは重要」と、新規参入の実現には名が通っている選手も必要という旨をコメント。
また、「(ネット上で)色々名前が挙がった選手たちも素晴らしい選手たちですので、ご縁があればという選手も正直(に言って)います」と、今回ネット上で名前が挙がった選手たちの将来的な獲得に含みを持たせていた。
NPBへの新規参入に向け、現場・フロントが足並みを揃えて動いている琉球。今後の動きについても要注目だ。
取材・文・写真 / 柴田雅人